【大学野球】152キロドラフト候補右腕、注目ルーキー 4・6開幕の関西学生野球連盟春季リーグの見所は?

13日に関西学生野球連盟の春季リーグ戦プレス発表が行われた【写真:松倉雄太】

平成最初の日本一 昨秋Vの近大が新元号最初も頂点狙う

 4月6日に開幕する関西学生野球連盟の春季リーグ戦プレス発表が13日、大阪市内で行われ、六大学の監督が顔を揃えた。

 会見では昨秋のリーグ戦優勝で優勝した近畿大学の田中秀昌監督から順に、期待の選手などチーム状況を語った。各大学の監督コメントをもとに、リーグ戦の見どころを探っていきたい。

○近畿大学(昨秋優勝)

 秋の明治神宮大会4強のメンバーが多く残る。投手陣は最速152キロのドラフト候補右腕・村西良太(4年・津名)、昨秋4勝を挙げて最優秀投手に輝いた林山太州(3年・創成館)、神宮で好投した鷲崎淳(4年・創成館)が三本柱。今季、正捕手になった井町大生(3年・履正社)が投手陣をリードする。

 打線は大学日本代表で来秋ドラフト候補の佐藤輝明(3年・仁川学院)が4番に座り、今秋ドラフト候補の谷川刀麻(4年・星稜)、中川智裕(4年・近大附)らが周りを固める。

 昨年の甲子園を沸かせた梶田蓮(三重)、竹谷理央(星稜)の1年生2人もすでにオープン戦で起用されており、スタメンに名を連ねる可能性も高い。田中秀昌監督は、「何とか秋春連覇を果たして大学選手権に行きたい」と語り、“平成最初の日本一は近大、新元号最初の日本一も近大”という偉業を狙う。

○立命館大学(昨秋2位)

 4年間チームを引っ張った辰己涼介(楽天)が卒業。「スターが抜けた今年は、泥臭い野球で戦いたい」と後藤昇監督はニュー立命で優勝を狙う。

 投手はエース左腕の坂本裕哉(4年・福岡大大濠)と、昨年ブレークした本格派右腕・有村大誠(3年・秀岳館)の二枚看板。すでにオープン戦で2試合先発している村上大芽(2年・津名)が先発陣の一角に加わるようだと面白い。1年生では昨夏の甲子園に出場した秋山凌祐(愛工大名電)に注目。後藤監督は、「今後はオープン戦も使っていきたい」とDeNA・東克樹の高校と大学の後輩への期待が大きい。

 野手では俊足好打の井上浩輝(4年・報徳学園)が1番で引っ張り、攻守で安定する福武修(3年・東海大甲府)が2番で続く。白瀧恵汰(履正社)、宮崎竜成(創志学園)の1年生2人のデビューもあるかもしれない。

○関西大学(昨秋3位)

 「センターラインが卒業し、今は競争中」と早瀬万豊監督。注目は昨春のリーグ戦で衝撃のデビューを果たした野口智哉(2年・鳴門渦潮)。今季からは遊撃手として守備も期待される。同級生で昨年は2試合出場だった坂之下晴人(2年・大阪桐蔭)も今季はスタメンを狙う。外野手ではベストナインに2度選ばれた倉川竜之介(4年・桜宮)が4番に座り、攻撃の中心となる。

 投手は昨春ベストナインの高野脩汰(3年・出雲商)、エースの肥後皓介(4年・広陵)らが中心。昨春のセンバツで登板した定本拓真(三重)など1年生もキャンプに参加しており、リーグ戦中のベンチ入りの可能性もありそうだ。

○関西学院大学(昨秋4位)

 昨秋のベストナインで、182センチ104キロのスラッガー・高尾浩平(4年・関西学院)が打線の中心。主将で二塁手の中内理貴(4年・今治西)、「ライトなのにキャッチャー」とチームスタッフが語る、山田来刀(2年・関西学院)らがセンターラインを固める。昨夏の甲子園で活躍した長尾亮弥(報徳学園)ら1年生がどれだけベンチ入り争いに加われるか。

 投手陣は昨年4勝を挙げた黒原拓未(2年・智辯和歌山)がエース。最速140キロを超える衛藤慎也(1年・聖光学院)も右肘の不安が少なくなり、高校の福島から、出身地の兵庫に戻って大学野球をスタートさせる。昨年春夏連覇の大阪桐蔭で記録員を務めた小谷優宇も投手として入部しており、「これから練習に参加してきます。春はわかりませんが、将来は楽しみ」と木内祥晴監督も期待を寄せる。

○同志社大学(昨秋5位)

 「6つのポジションがまだ競争中。リーグ戦開幕前日の4月5日まで決まらないと思う」と澁谷卓弥監督。昨秋ベストナインで主将になった杉内洸貴(4年・今治西)、俊足好打の小川晃太朗(3年・龍谷大平安)らが中心だが、競争の起爆剤になっているのが、昨夏の甲子園で優勝のウイニングボールをキャッチした外野手の青地斗舞(大阪桐蔭)。澁谷監督は、「野球観が良い」と絶賛し、レギュラー争いに加わってくる可能性が高い。

 投手では溝田悠人(4年・履正社)ら右投手が充実。「左は6人ほどで競争中」と指揮官が話す中、すでにオープン戦で登板している道端晃大(1年・大阪桐蔭)が入ってくる可能性がある。高校時代は柿木蓮(日本ハム)、根尾昂(中日)、横川凱(巨人)の豪華投手陣の陰に隠れる形で出番が少なかったが、大学野球で花を咲かせて見せる。

○京都大学(昨秋6位)

 レギュラー7人が卒業して若いメンバーになったが、勝ち点2以上と2000年秋以来の最下位脱出を狙う。リーグ通算4勝の藤原風太(4年・東海大仰星)が投手陣の柱。2戦目の先発が誰になるかがポイントになりそう。野手では昨春ベストナインの西拓樹(4年・西京)が主将として引っ張る。

 1年生は例年通り入試の合格発表後から勧誘活動を行うため、現時点では未定だが、青木孝守監督は、「甲子園出場経験者や、大阪で注目された投手など進学校の力のある選手が合格したと聞いている。入部届を出してくれれば、将来が楽しみ」と期待を語った。(松倉雄太 / Yuta Matsukura)

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