「日本代表の新顔!4人の初招集組について抑えておきたいポイント」

14日、苦杯を嘗めたアジアカップ後の最初の強化試合となる、ボリビア、コロンビアとの試合に向けて森保一監督は代表メンバー23名を発表した。

アジアカップを主力として過ごしたお馴染みのメンバーを含め、13名の入れ替えが行われたことで既に各方面で議論を生んでいるが、やはり、誰もが気になるのが「初招集組」だろう。

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そこで、彼らについて抑えておきたいポイントを簡単にまとめることにした。

常日頃から彼らのことを追っている者には釈迦に説法な箇所もあるかもしれないが、特に「名前だけは知っているが…」という方の予備知識になれば幸いだ。

鎌田 大地

1996年8月5日生まれ(22歳)
ポジション:OMF(ST/WG/SMF/CMF)
所属:シント=トロイデン(ベルギー)

海外組でプレーする日本人選手において、現在、最も勢いに乗る男が、ベルギーサッカー界で注目の的となっている鎌田大地だ。

サガン鳥栖から移籍したドイツのフランクフルトでは事実上の戦力外となり、今季からシント=トロイデンにレンタルでプレーすることとなったが、これが予想以上のスマッシュヒット。

チームを優勝プレーオフ進出争いに導くエース格として(3月14日現在で)国内リーグにおいて12得点をマークするなど、その評価はもはや国外にも轟いていると言われている。

元々は持ち前のテクニックを活かしたチャンスメイカー色が強いプレーヤーであったが、ベルギーでは2トップの一角やウィングで起用されたことで、今や「9.5番」へと生まれ変わりつつある。

スコアラーとしての才能はもちろんのこと、周囲を活かしながら自分も活きることが可能で、さらにバランスとチャレンジを巧みに使い分ける彼の特性は、日本代表に期待以上の化学反応を起こすかもしれない。

ちなみにサッカーファンの中でも間違うものが多いが、彼の名字の読み方は「カマタ」ではなく「カマダ」が正解だ。

安西 幸輝

1995年5月31日生まれ(23歳)
ポジション:LSB(RSB/SMF)
所属:鹿島アントラーズ

昨今のサッカー界には、これまでのサイドバック像を打ち破るプレーヤーが世界各地で誕生しているが、日本に目をやると、この安西幸輝はその代表格と言えるだろう。

豊富な運動量や効果的なオーバーラップからのクロスも当然備えているが、彼の真骨頂は「型にハマらないプレー」を与えられた時にある。

サイドでボールを受け取ると、縦だけではなく中へのカットインを積極的に試み、自らシュートにまで持ち込む形は彼の代名詞。また、逆サイドからのクロスボールに対しては、ペナルティエリア内で待ち構え、ゴールゲッターとしての顔も覗かせるなど、オフザボールでも違いを見せられる点も特異な才能と言えるだろう。

昨年に加入した鹿島アントラーズではサイドバックだけではなく、中盤で起用されることもあるが、ヴェルディ時代にはウインガーとしても重宝されたように、その既成概念を打ち破る攻撃力は森保監督の交代策も助けるはずだ。

「左サイドバックか、右サイドバックか、はたまた思い切って中盤のサイドか…」

鹿島でのJ1デビュー戦は試合中に三つのポジションを渡り歩くという離れ業をやってのけたが、彼がどのポジションで代表デビューを飾るかにも注目が集まるだろう。

畠中 槙之輔

1995年8月25日生まれ(23歳)
ポジション:CB
所属:横浜F・マリノス

J1での本格的なプレーは今季からとなるため、そのネームバリューは今回の代表メンバーの中では最も低いかもしれないが、その実力を高く評価する声は多い。

184cm/80kgと日本人DFの中では恵まれた体躯を誇り、空中戦では持ち前の跳躍力と落下地点に入るセンスから自分よりも身長のある選手が相手でも十二分に対抗する。無論、その特長だけであれば、彼に匹敵するDFは他にも存在するだろう。だが、彼が高い評価を受けるのはその「強さ」だけではなく「巧さ」を併せ持つ点にある。

アンヘル・ロティーナ監督の下で育った東京ヴェルディ時代から話題を集めていたが、その右足から放たれるフィードも精度と質の両面で特筆に値。「後方からのビルドアップ力」という現代のセンターバックに必要不可欠とも言うべき、能力を高いレベルで備えている。

アンジェ・ポステゴグルー監督が横浜F・マリノスで志向する「アタッキングフットボール」にフィットしたことも、彼の能力をもってすれば、当然の成り行きであったと言えるだろう。

重鎮の吉田麻也が招集外になったとはいえ、W杯以来では主力を担った昌子源、アジアカップで評価を急上昇させた冨安健洋、そして、同大会でバックアッパーを務めた三浦弦太ら実力者が揃うが、彼らCB陣に割って入れる武器は十分に持っている。

鈴木 武蔵

1994年2月11日生まれ(25歳)
ポジション:FW
所属:北海道コンサドーレ札幌

「そのポテンシャルはA代表を狙えるレベル」と若き頃から太鼓判を押されてきたが、未完の大器がようやくその期待に応えられる域に辿り着いた。

言わずもがな、その最大の武器は自他共に認める身体能力の高さ。

あのボルトを生んだジャマイカの血が流れていることがプラスに作用しているのかどうかは不明だが、高校生の頃には50mで5秒9を記録。また、垂直飛びでは計測可能な高さを上回り「計測不能」となるなど、規格外のエピソードを持つが、20歳半ばとなり、その武器を活かすための術をようやく身に着けたと評するべきだろう。

昨季V・ファーレン長崎のエースとしてフルシーズンを戦い抜き、自身初となる二桁得点を達成。シーズンオフにはミシャ・ペトロヴィッチが指揮する北海道コンサドーレ札幌に移籍し、スタイルが全く異なるチームでのプレーとなったが、序盤から元イングランド代表FWジェイを差し置いての活躍を見せている。

高さ、速さ、強さの三拍子を全て備えたストライカーは、長き日本代表史を紐解いてもそう簡単に見当たらない逸材だ。その力を臆することなく発揮できれば、「大迫依存」の問題に一筋の光をもたらすかもしれない。

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なお、彼の持ちネタである、(ジャパネットたかた前社長)現V・ファーレン長崎社長の高田明氏のモノマネは、周囲を驚かせるクオリティーにあり、本人からも公認を受けている。

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