「幻の高来そば」 クラウドファンディング活用

 長崎県諫早市高来町に古くから伝わる希少種「幻の高来そば」の食事処(ところ)が20日、同町の直売所「轟街道ふれあい市」横にオープンする。香りの高い名物のそばが、年間を通じて味わえる念願の常設飲食スペースとなる。

 「幻の高来そば」は、手打ちそばを「どろり」と呼ばれる食べ方で人気。農業生産法人「たかき」(松永孝典代表)が栽培し、製粉、製麺して、「ふれあい市」で販売している。

 食事処の開設に向け、たちばな信用金庫(諫早市)が提携するクラウドファンディング(CF)で資金協力を募ったのをきっかけに、これまでに県内や関西、東京などの114人が計約210万円を出資。厨房(ちゅうぼう)設備の購入などに充てられた。

 食事処は、温かみのある木製の長テーブルといす(6セット)を備えた開放感のある雰囲気。どろり、かけそば、ざるそばを提供する。松永代表は「目標(120万円)を大きく上回る人に支援してもらい、期待の大きさを実感している。近々、イノシシ料理も出せるように研究中」と話す。

 オープンに先立ち、CF出資者の招待が始まった14日、諫早市白岩町の原田貞光さん(74)は「住民が希少なそばの復活を目指す取り組みを応援したい。ちょっと食べに行こうという気持ちになる」と熱々のそばに舌鼓を打った。

 営業時間は午前11時~午後5時。当面、不定休。

20日オープンする「幻の高来そば」食事処
20日のオープンに先立ち、クラウドファンディング協力者に熱々のそばを振る舞う松永代表(左)=諫早市、「幻の高来そば」食事処

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