長崎商高と広島商高 ドーナツ共同開発 両県で商品化

 長崎市立長崎商業高の商業クラブ(小田実優部長)と広島市立広島商業高は共同で、平和をコンセプトにした焼きドーナツを開発した。ドーナツを選んだのは、生徒たちが日常の笑顔があふれる生活を平和ととらえ、その輪が広がるようにと思ったから。商品名は笑顔の「Smile」と輪を意味する「Ring」を合わせて「Smiring(スマイリング)」。長崎バージョンは、長崎市内の洋菓子店「ボンソアール」4店舗で販売している。

 両校は被爆地の商業高校として、商品開発で平和の推進に貢献しようと共同開発。インターネット電話「スカイプ」などを利用して話し合いを重ね、約1年かけて完成した。

 長崎バージョンは、香り付けなどに、長崎県名産の壱岐焼酎、レモンの皮の歯触りや香りを楽しめるようにと広島県産「瀬戸田レモン」を使い、しっとりとした生地に仕上げた。包装には笑顔をイメージしてデザインしたシールを貼っている。6個入りの箱には、地球に見立てたドーナツの上で世界の人々が手をつなぐ様子を描いた帯を巻き、広島平和記念公園に届いた折り鶴の再生紙を使用したメッセージカードを同封している。

 13日は同クラブの小田さん(17)と井手口萌さん(17)、西畠花さん(17)が長崎市役所に田上富久市長を訪ね、完成を報告。小田さんは「安定して提供できることを考えて、使用する県産品を探すのが難しかった」と振り返った。販売は、4月の「長崎帆船まつり」関連イベント内でも予定している。1個173円、6個入り1箱1080円。

 また、広島バージョンとして、上万糧食製粉所(広島市)の「レモンきな粉」と長崎県産の彼杵茶を使用した焼きドーナツも開発。協力店舗での販売に向け、広島商業高は現在も改良を続けているという。

広島商業高と焼きドーナツ「Smiring」を共同開発した長崎商業高商業クラブ=長崎市役所

© 株式会社長崎新聞社