黒島天主堂 改修始まる 2020年度完了予定 工事の様子を公開 佐世保

 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「黒島の集落」(佐世保市)にある黒島天主堂の改修工事が14日、始まった。2020年度に完了する予定。
 耐震化と老朽化した部分の修復を目的に、カトリック長崎大司教区が発注した。内部を鉄骨で補強するほか、外壁の汚れやコケを洗浄。劣化したれんがを差し替える。総事業費は約5億3千万円で、国県市などが約9割を補助する。
 当初は昨年11月に始め、20年10月末に完了する計画だったが、制限付き一般競争入札に2回続けて参加業者がおらず、着工が遅れていた。このため、入札による選定を見送り、1月に準大手ゼネコンの安藤ハザマ(東京)と随意契約を結んだ。
 工事中は天主堂内の見学はできないが、隣接する資料室は利用できる。カトリック長崎大司教区は天主堂の正面に見学台を設置。工事の様子を公開する。
 黒島観光協会の山内一成理事長は「着工が延びていたのでどうなるかと思っていたが、ひと安心した。観光客は減ると予想しているが、耐震化は避けられない。工事が終わった後、きれいになった天主堂を見に来てほしい」と話した。

改修工事に着手した黒島天主堂=佐世保市黒島町

© 株式会社長崎新聞社