潜伏キリシタン遺産 「地域の活性化に」 前田枢機卿、知事と面会

 ローマ・カトリック教会の前田万葉枢機卿(70)=カトリック大阪大司教区大司教=は14日、県庁で中村法道知事と面会し、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録を生かし「教会としても地域活性化を図れるようにしたい」と述べた。
 新上五島町出身の前田氏は被爆2世で潜伏キリシタンの子孫。昨年6月、ローマ法王に次ぐ高位聖職者の枢機卿の一人となった。今年11月下旬には法王フランシスコも来崎予定。知事へのあいさつのため訪れた。
 前田氏は潜伏キリシタンの認知度は世界で高まったとし「遠くから来た巡礼者に話し、知ってもらうことが私の使命」と語った。知事は昨年の世界遺産登録時のバチカンの支援に感謝し、構成資産への訪問者も増えていると報告。「離島・半島活性化の起爆剤として期待している」と話した。
 法王は長崎で核兵器廃絶へのメッセージを発信予定。知事は来崎に向け「県を挙げて歓迎する。関連遺産も見てほしい」と呼び掛けた。前田氏は「バチカンにとって長崎は大切な存在」とし、法王の関連遺産への関心も高いと紹介した。前田氏は同日、田上富久長崎市長にもあいさつした。

潜伏キリシタンやローマ法王の来崎について知事と話す前田枢機卿=県庁

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