<震災8年>被災地の企業、3割休廃業 原発事故で福島突出、高齢化や後継者難も影

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 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に見舞われた岩手、宮城、福島3県の被災地域に本社を置く調査対象5004社(2月時点)のうち、休廃業した企業は1660社に上り、初めて3割を超えたことが帝国データバンク仙台支店のまとめで分かった。震災と原発事故からの8年で事業が軌道に乗らないまま承継の問題も加わり、休廃業に拍車が掛かっている現状が明らかになった。

 休廃業数は前回調査時の2016年2月から254社増え、33.2%を占めた。仙台支店は「事業再開後に継続を断念する例もあり、休廃業の増加のペースは上がった」と分析する。

 業種別で割合が最も多かったのは小売業で、44.5%。前回と比べ7.9ポイント増えた。その他41.5%、サービス業33.2%が続いた。国のグループ化補助金などが工場再建を支えた製造業は30.6%だった。

 被災地の小売業は地域密着型の小規模業者が多く、避難生活で顧客が地元を離れ、営業基盤を失ったことが要因とみられる。

 県別では福島の1205社のうち、61.3%に当たる739社が休廃業した。震災に原発事故が加わり、地域経済に与えた深刻な影響が際立つ。宮城は2575社のうち612社(23.8%)、岩手は1224社のうち309社(25.2%)が休廃業した。

 震災前の事業データがある3356社を対象に09年度と17年度の売上高を比較した結果、増収55.4%、減収41.3%、横ばい3.3%だった。

 業種別の増収企業の割合は、インフラ整備などを担った建設業が突出して高く73.5%となり、全体を押し上げた。次いで、その他51.8%、サービス業50.2%の順だが、ともに全体値55.4%を下回った。減収企業の割合が高いのは不動産業55.9%、小売業55.0%だった。

 県別で増収企業の割合が最も高いのは、福島の59.5%。岩手、宮城よりも5ポイント前後上回った。支店によると、原発事故の被災地の除染の長期化に伴い、請け負う業者の増収も続いていることが一因という。

 仙台支店の担当者は「被災地は震災前から人口減という構造的問題を抱えていた。震災後の8年で経営者の高齢化や後継者難が顕在化し、企業が先行きを見通せなくなった」と説明。「今後も販路や資金確保、承継支援が欠かせない」と指摘する。

 調査対象は11年6月時点に指定した企業。原発事故で被災した福島県内の警戒区域と計画的避難区域(ともに当時)を含む3県沿岸部に本社を置いていた。