NZ警察「悲惨な映像拡散」と警告 乱射犯、犯行の様子撮影

By 太田清

15日、ニュージーランド・クライストチャーチのモスクの外で座り込む男性に声をかける警官(AP=共同)

 ニュージーランド南島のクライストチャーチで15日午後、複数のモスク(イスラム教礼拝所)で男らが銃を乱射した事件は49人が死亡するという同国で過去最大の銃乱射事件となった。地元警察は同日、ツイッターで「事件に関する極めて悲惨な映像がオンライン上で拡散していますが、リンクをシェアしないよう強く勧告します。現在、そのような映像を削除すべき作業しています」と警告した。

 一部メディアは、容疑者の1人であるオーストラリア出身の男が、頭に着けたウェアラブルカメラで銃撃の様子を撮影した動画をネットで生中継したと報じており、この動画のことを指しているとみられる。AFP通信は、映像に写ったモスクを検証したところ、事件のあったモスクと同一で映像が本物であることが確認されたと伝えた。 

 ニュージーランド・ヘラルド紙(電子版)などによると、容疑者は28歳のブレントン・タラントと名乗る男。動画は約17分間で、迷彩服を着た男が「パーティーを始めよう」と言って車に乗り込み、自分で車を運転してモスクに接近。車を駐車後、自動小銃など複数の銃を取り出しモスクに侵入、手当たり次第に乱射する様子が写っている。 

 走って逃げようとした人や床を這う男性らにも次々と発砲。既に倒れた人に対してもとどめを刺すように射撃した。男はいったん外に出て、ふたたび手当たり次第に乱射。その後、車から弾倉を取り出し銃に装てんし、再度モスクに戻り生存者がいないか調べた後、車で逃走したところで映像は終わっている。 

 AP通信は、男が反移民を訴える74ページの声明を残していたと報じた。銃や弾倉には、過去にあった乱射事件の実行犯の名前も書かれていたという。(共同通信=太田清)

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