長崎市 転出超過数 全国ワースト1位

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 長崎市の2018年の転出超過数(日本人)が全国市町村で最多だったことを総務省が発表して間もなく始まった定例市議会。移住促進の相談窓口新設を含む一般会計当初予算案を原案通り可決したが、人口流出に歯止めをかけるための抜本的な対策の議論は深まらず、消化不良に終わった。
 市はJR長崎駅近くのホテルに相談窓口を新設するほか、民間勤務経験がある県外在住者を市職員に採用する予算案を提出。これに対し、総務委員会では、委員から「もっと人口流出を防ぐことに力を入れるべき」「東京の人が長崎勤務を希望するのか」との指摘が出た。ただ、それ以上突っ込んだ議論や新たな提案は見受けられず、解決の難しさが改めて浮き彫りとなった。
 環境経済委員会では、長崎ペンギン水族館の嘱託飼育員に毎年退職者が出ていることを踏まえて、指定管理制度の推進による行政コストの削減が、指定管理者の従業員の低賃金、さらに離職や人材流出につながっているのではないか、という問題提起がなされた。「制度の在り方を抜本的に見直す時期にきているのではないか」との声もあった。
 行財政改革は当然必要だが、そのしわ寄せが市民生活に及ぶようならば本末転倒である。指定管理や業務委託を含め行政コスト削減のための制度の功罪を検証し、限られた財源の選択と集中をさらに進めていかなければならない。
 4月の市長選と市議選を前にした最後の定例会となった。改選後も人口減少対策を巡る深い議論を求めたい。