タイラギ母貝団地造成へ4.7万個移植 有明海漁場改善連絡協

 有明海再生に向け、国と長崎県など沿岸4県、各県漁業団体による有明海漁場環境改善連絡協議会が15日、福岡市内で開かれた。終了後会見した九州農政局は、本年度から着手した二枚貝タイラギの母貝団地造成について、4県で成貝など約4万7700個を移植した経過などを報告。「新年度もより実効的な取り組みを進める」と説明した。
 冒頭を除き非公開。同局によると、受精卵を供給できる貝を育てる母貝団地は3年後をめどに、沿岸11カ所で母貝計2万個を育成する計画。新年度は、佐賀を除く3県で成貝計7500個を移植する予定。
 長崎県は昨年5月、諫早湾内の干潟にタイラギ2千個を移植したが、同7月の豪雨でへい死。同12月までに360個を移植したところ、今年2月時点で4~9割が生き残っているという。佐賀県西部で昨年10月、天然稚貝50万~100万個が発生。そのうち4万2千個が同県西部に移植され、同局は「母貝団地造成の大きなサポートになる」と述べた。
 同局によると、出席者は▽底質を改善する海底耕耘(こううん)の規模拡大▽アサリなどの二枚貝の資源回復推進-などを要望した。

© 株式会社長崎新聞社