作陶45年 さらに高みへ 70歳を機に活動振り返る

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 諫早市森山町のデザイナーでクラフトマンの長谷川武雄さん(69)の仕事展が15日、同町の長谷川陶磁器工房で始まった。実用性の高い磁器作りを始めて45年、年代ごとの代表作約100点を披露。「これまでの仕事を見つめ、より質の高いものづくりに挑む機会にしたい」と話す。4月14日まで(火曜休み)。
 南島原市出身。1983年、日本クラフト展で最高賞にあたる日本クラフト賞に輝いた。受賞作の片くちシリーズは、縁の一部に注ぎ口があり、売れ続けている逸品。「ラッキーなデビュー。この賞のおかげで続けられた」と振り返る。
 86年、橘湾に近い同町唐比に同工房を構えた。ろくろを回しながら、器の厚さをできる限り薄くひく。筒状や丸状のポットは、表面を削って線状の模様を入れたり、持ち手に木などの異素材を合わせたり、手仕事の美しさを際立たせる。
 年平均5~10種類の新作を生み、残っているのは約60種類。「デザイン性を基本とし、使いやすくて楽しめる。変化してもコンセプトや表現手法は一つの線上にあり、時代に合った作品が残ったのではないか」。市場の動向と時代性を常に意識したスタイルで、国内外の公募展出展や個展を続けてきた。
 ものづくりを通した地域活性化にも力を注ぐ。市商工会製造部会の有志でつくる「メイドイン諫早をつくるプロジェクト」は、異業種の若手と諫早発の商品づくりに挑戦。磁器とステンレス製のホルダーをセットにしたコーヒードリッパー・サーバーなど、長谷川さんのデザインと作陶が支える。
 仕事展は4月で70歳を迎えるのを機に、地元や東京(4月)、大阪(6月)、福岡で企画。「仕事ができるのは幸せだが、体力に応じて仕事量は減る。キャリアやネットワークを生かした方法に変え、自分の作りたいもの、次世代へ伝えたいものを作りたい」。純白の磁器に魅了されたクラフトマンは、次のステージに挑む。

4月70歳を迎えるのを機に、年代ごとの代表作や新作を披露する長谷川さん=諫早市、長谷川陶磁器工房