カラー図柄ナンバー 議員取得は灰色のまま 寄付必要、公選法抵触恐れ

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昨年5月、国交省が公表した各地の図柄入り自動車用ナンバー

各地の名産品や景勝地などの図柄が入った自動車用ナンバープレートを巡り、議員が取得できないとの観測が出ている。カラー版の入手に必要な寄付が、公職選挙法の規定に抵触する可能性があるためだ。国会論戦で取り上げられ改善の兆しが見え始めたが、現状は灰色のまま足踏み状態が続く。茨城県内の選挙管理委員会も対応に悩んでいる。

■走る広告塔

霞ケ浦の帆引き船が描かれ、花火が彩りを添える。土浦市をはじめ11市町村で取得できる自動車用の図柄入りナンバープレートだ。

「走る広告塔」として地元の魅力を広めようと、全国41地域で2018年10月に交付が始まった。本県では土浦ナンバーのほか、ダイヤモンド筑波を表現した13市町対象のつくばナンバーがある。色はモノクロとフルカラーの2種類をそろえる。

図柄入りナンバーの交付を受けるには、車両の大きさに応じ、7750〜1万1100円の手数料を支払う必要がある。

さらに、アピール力のより強いカラー版を取得するには、千円以上の寄付が別途必要だ。集められた寄付金は「日本デザインナンバー財団」(東京)が管理。最終的に発行地域の交通環境の改善や観光振興の財源として役立てられる。主体は民間が担い、自治体などでつくる地元協議会が事業を決める仕組みだ。

■迷う判断

首長や議員はカラー版の図柄入りナンバーを取得できないとの見方がある。公選法の規定で、候補者を含む政治家は、選挙区内で寄付をすることが一部の例外を除いて禁じられているためだ。罰則もある。

県選管によると、これまでに県内の市町村選管から可否に関する相談が数件あった。担当者は「支出の対価という側面があり、判断は難しい」と困惑気味だ。問い合わせに対し、現段階では取得を控えるよう勧めているという。

別の選管関係者からは「政治家個人の責任の問題になってしまうが、地元をPRしたい気持ちは理解できる」とおもんぱかる。

■「方策を検討」

果たして適法か違法か、開会中の国会でも論議の対象となった。

参院予算委員会で今月、自民党・国民の声の有村治子氏(比例選出)は政府の見解をただし、寄付金ではなく交付代金として金額を一律に明示するよう提言した。

石井啓一国土交通相は「公職者が代表として地域振興に向けた取り組みを推進していく立場にあることを踏まえ、改善方策を検討してまいりたい」と前向きな姿勢を示した。

ただ、総務省幹部は答弁で、現状を「モノクロは交付手数料を支払って入手できる。問題があるとは考えていない」とする一方、カラー版を巡っては「必要なものが寄付であれば、問題が生じる恐れがある」と公選法に抵触する可能性を指摘した。白黒はっきりしない状況はまだ続きそうだ。(鈴木剛史)