(2)選ばれる学びやへ 九州文化学園 小中学校開校 <方針> 新しい教育の見本に

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 テーブルに並ぶのは矢印や数字を記した色とりどりのパネル。その上を小さなロボットが進んでいく。昨年末に長崎県佐世保市内で開かれた九州文化学園小中学校の授業体験会。「こっちに動かしたいからこのカードだよ」「あ、これだ」。プログラミング体験では、出会ったばかりの小学6年生が声を掛け合い、指示されたルート通りにロボットを動かす方法を考えた。

 同校は▽英語▽IT▽茶道を中心とした日本文化教育-を教育の柱に置く。英語では、小学1年から週3時間、中学生は週6時間の授業を確保。ネーティブの講師だけの授業や英語で教える音楽と図工(美術)の授業をする。

 週に1時間のIT教育は、九州工業大のベンチャー企業でプログラミング教育の開発、研究を手掛ける「ロジコモン」(福岡県北九州市)と協力して独自のカリキュラムを構成。ロボットの製作に加え、IT機器を扱う技能やプレゼンテーション能力を養う内容に取り組む。

 英語とITに力を入れる背景には、2020年度から小学校で新学習指導要領が全面実施されるなど義務教育の変革がある。英語はこれまで5、6年でしていた外国語活動が3、4年の取り組みになり、5、6年では教科化される。

 プログラミング教育も小学校で必ず取り組むことになる。しかし、教科書があり授業時間数が決まっている英語と異なり、プログラミング教育は算数や理科といった既存の科目に組み込む。このため、実施する学年や教科、時間数は各校の判断に委ねられる。佐世保市教委は「現段階で佐世保市としてはっきりとした方針はない」として、新学習指導要領の内容を教員に理解してもらう研修の企画にとどまっている。

 「新しい授業の在り方を示したい」。同校の非常勤講師としてITの授業に関わるロジコモンの大町侑平社長は意気込む。

 カリキュラムには、グループワークや自分の意見を発表する時間を積極的に盛り込んだ。ほかの科目の単元や地域の問題を題材にして新しいものを作る授業も考えている。「スキルを身に付けるのではなく、考える力を付ける授業にしたい」とする。

 同校設置準備室の百津眞人室長は、魚を求めて群れから最初に飛び込む“ファーストペンギン”に例える。「先行していくことで、佐世保市内の小中学校と一緒に教育の方法を考える学校にしたい」

授業体験会でパネルを並べて指示通りにロボットを動かす小学生=長崎県佐世保市常盤町、市中央公民館