横浜港のシンボル灯台、20日廃止 紅白一対80年余り

横浜港のシンボル、横浜外防波堤北灯台。横浜航路をはさんだ南灯台とともに廃止される=横浜港

 横浜港を入出港するクルーズ客船や貨物船の道しるべとして横浜航路を照らしてきた横浜外防波堤北灯台と南灯台が20日に廃止され、消灯する。キャンドルのような愛らしいシルエットは横浜港のシンボルマークに採用されるなど、市民からも親しまれた紅白一対の灯台は、港湾関係者に惜しまれつつ灯台としての80年余りの歴史に幕を閉じ、今後は船舶の航路を示す標識として港の安全を守り続ける。

 横浜海上保安部によると、二つの灯台は1935年4月10日に設置され、初点灯した。横浜ベイブリッジ両岸部の真下に位置しており、大黒ふ頭側にある赤色の北灯台は赤い光を、本牧ふ頭側の白い南灯台は緑色の光をそれぞれ放った。

 横浜ベイブリッジが89年に開通した際、「橋梁(きょうりょう)灯」と呼ばれる標識が掲げられ、灯台としての必要性が低くなっていた。

 横浜海上保安部は廃止により灯台の光が消えるため、付近を航行する船舶に注意を呼び掛けている。水先人の男性は「ベイブリッジよりも以前からこの灯台があっただけに、残念でならない」と惜しむ。

 灯台と付属舎の建物は市が取得し、今後は航路標識の一種「立標(りっぴょう)」として市が管理する。市は81年、横浜港港湾管理30周年を記念して、横浜港シンボルマークを公募した結果、横浜外防波堤南灯台と貨物船の情景を描いたデザインを採用。横浜港の初入港記念盾などで使われている。

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