大腸がん増加懸念、確実に検診を 川崎医科大付属病院の鶴田医師

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 厚生労働省が初めて公表した「全国がん登録」に基づくデータによると、2016年に全国でがんと診断された人のうち、大腸がんが15万8千人と部位別で最も多く、岡山県内でも2番目だった。今後、高齢化などにより患者のさらなる増加が懸念される中、川崎医科大付属病院消化器外科副部長の鶴田淳医師は生活習慣の見直しとともに、早期発見・治療につながる検診を確実に受けるよう呼び掛けている。

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 ―大腸がんの具体的な症状は。

 食べ物の最後の通り道である大腸にできる悪性腫瘍で、直腸とS状結腸での発生が約7割を占める。早期は自覚症状がほとんどなく、進行すると血便や腹部の膨満感、腹痛といった症状が現れる。

 ―国立がん研究センターは大腸がんを発症する確率を男性は11人に1人、女性は13人に1人と推計している。

 食の欧米化や高齢化が原因と考えられ、国内の患者数は年々増えている。加工肉の摂取、飲酒、喫煙などによって発症リスクが高まるとされる。40代から増え始め、高齢になるほど罹患率は高い。やや男性に多い傾向だ。

 ―治療の選択肢は。

 初期であれば大腸カメラ(大腸内視鏡)で切除できる。進行している場合は腹部に小さな穴を数カ所開けて専用のカメラや器具を挿入して行う腹腔鏡(ふくくうきょう)手術や開腹手術を行う。

 ―昨年4月の診療報酬改定で、直腸がんも内視鏡手術支援ロボット・ダビンチを使った手術が保険適用になった。

 前立腺がんでは既に適用になっている手術法で、われわれは昨年11月に導入した。これまでに40~70代の直腸がん患者5人を対象に行った。狭い箇所でも緻密な動きが可能で、狙った腫瘍を的確に切除できた。3次元画像を見ながら行うので、残すべき組織を傷つけにくく、神経障害の恐れも減らせる。

 ―予防で気をつけることは。

 早期発見・治療が重要なのは言うまでもない。特に40代以上は年1回は便潜血検査を受けたほうがいい。習慣的に飲酒やたばこを吸う人は手術後の肝機能障害や肺炎発症のリスクが高まる傾向がある。生活習慣を見直し、休肝日をつくったり、禁煙したりしてほしい。

川崎医科大付属病院が直腸がん手術で使用している内視鏡手術支援ロボット・ダビンチ
鶴田淳医師