ドナー登録数が急増 池江選手の公表後、神奈川で4倍

チャリティーイベントの一環で、骨髄バンクへのドナー登録の説明を受ける来場者 =2月16日、川崎市川崎区

 競泳の池江璃花子選手(18)が白血病を公表した2月、神奈川県内で骨髄移植のドナー登録が急増し、通常の約4倍に当たる854人が済ませたことが分かった。月間では過去最多の人数で、公表翌日の13日から28日までで794人を占めた。県内の登録者数は全国との比較で低水準にあり、県赤十字血液センターは引き続き協力を呼び掛けている。

 県内での登録は、横浜、川崎、藤沢、厚木の4市に8カ所ある献血ルームのほか、移動献血の巡回バスで可能。小田原、大和、横須賀の3市の保健所でも事前予約制で対応している。

 同センターの担当者は「池江選手の公表直後は問い合わせが殺到した。年度の目標に近いほどの数字が1カ月間で集まった」と回顧。こうした傾向は全国でも同様で、現在は比較的落ち着きを取り戻して伸び率は緩やかになったという。

 日本骨髄バンクによると、2月末時点の県内登録者は2万2572人で、骨髄を提供できる20~54歳の人口千人当たりの登録者数は5.51人。全国平均の8.87人を大きく下回り、都道府県別で下から2番目の水準にとどまっている。

 骨髄バンクで移植を待つ人は全国で2121人(2月末時点)とされ、ドナーは全国で約50万人が登録。ドナーが見つかる適合率が95.6%(2017年度)なのに対し、移植率は57.4%(同)と低く、同センターは「ドナーは継続的に必要。これからを担う若い人たちにもより登録してもらいたい」と話している。

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