「初めまして坂本勇人です」 イチロー御前試合で感動の豪快ソロ

マリナーズ戦で本塁打を放った巨人・坂本勇人【写真:AP】

マリナーズ戦で2番スタメンし、豪快ソロを含む3安打3打点

 巨人の坂本勇人内野手が17日、「2019 MGM MLB開幕戦 プレシーズンゲーム」のマリナーズ戦(東京ドーム)で「2番・遊撃」でスタメン出場。5回の第3打席でメジャー通算93勝右腕、マイク・リークから左中間ソロを放つなど5打数3安打3打点と大活躍した。チームは4-6で敗れた。

 メジャーのパワーに負けない豪快な一撃だった。1点リードの5回1死。坂本は技巧派右腕リークの甘く入った変化球を逃さなかった。フルスイングした打球は左中間中段へ伸びるソロアーチだ。

「ボールが動く、というのはメジャーのピッチャーっぽいなと。日本にはなかなかいないピッチャーなので、コンパクトにセンター方向を意識して打ちました。タイミングだったりを工夫しながらやりました」。前日16日のヤクルトとのオープン戦でも一発を放っており、2試合連続弾となった。

 3回1死二塁でもリークから「動く球に対してうまく対応できた」と中前へ同点打。9回2死三塁では右翼線適時二塁打を放ち、5打数3安打3打点と大暴れした。「個人的には内容のあるいいバッティングができたと思う。今日は3本出ましたし、結果が出ているということは少し安心しました」と振り返った。

イチローは故郷のヒーロー 試合前に挨拶「本当に感動しました」

 憧れのイチローの前で躍動した。兵庫・伊丹市出身の30歳にとって、少年時代にオリックスで活躍していたイチローは故郷のヒーロー。これまで対面する機会はなかったが、この日の試合前練習中に挨拶に出向いた。特別な時間となったようだ。

「気さくに声をかけていただいたので、本当に感動しました。『初めまして、坂本です』とあいさつしたんですけど、『初めましてじゃねぇだろ』と。認識していただいていたので、すごくうれしかったです。走る姿だったり、打席に立っている姿を見られるだけでもすごく幸せなこと。明日もそういう少しファン目線で見たいなと思います」

 野球少年のような笑顔を見せた。

 マリナーズのジェリー・ディポトGMは2005年から11年までダイヤモンドバックスのスカウト部長を務めていた。11年から坂本の才能に注目し、16日には「凄まじいポテンシャルがあった。彼はスペシャルな選手になれると評価していました。線は細かったけれど、身体能力は抜群でした。彼がどんなプレーをするのか、どんな成長を遂げたのか、本当に楽しみにしています」と期待する中での大暴れだった。

「1打席1打席残りも少なくなってきたので、残りを大事に、1試合1試合大事にしていきたいなと思います」

 イチローとの“出会い”、そして御前試合での躍動。全てを力に変え、2019年のV奪回に挑む。(Full-Count編集部)

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