IPC、初の南北合同チーム検討

東京パラ、大成功のロンドン超えも

©一般社団法人共同通信社

記者会見するIPCのクレイグ・スペンス広報部長。右は大会組織委の武藤敏郎事務総長=7日午後、東京都港区

 国際パラリンピック委員会(IPC)のクレイグ・スペンス広報部長(40)=英国=が共同通信のインタビューに応じ、4月13日で開幕まで500日を迎える2020年東京パラリンピックの準備状況を「エクセレント」と表現した。その上で「多くの人が大会運営の大成功例とみている12年ロンドン大会を全ての面で超えるだろう」と期待を込めた。(共同通信=田村崇仁)

 ―これから大会準備も実践モードに入る。

 「どんな大会でも1年前から要求度が高くなり、最も難しい課題に直面する。今年からテスト大会も本格化し、あらゆる節目で成果を出す必要がある。ただ大会運営はスポーツに例えれば『マラソン』と同じ。『スプリント(短距離)』ではない。東京は全ての局面でペースをキープしていくことが重要になる」

 ―大会組織委員会は競技会場の敷地内を完全禁煙にすると発表した。

 「個人的にはこの決定をすごく喜んでいる。スポーツを通した健康なライフスタイルを考えたら自然な流れだ。観客や競技者にとっても『たばこのない五輪とパラリンピック』はいいことだと思う。たばこ好きな報道陣が最も影響を受けるのではないかな(笑)」

 ―北朝鮮の参加はどうか。五輪では韓国と北朝鮮の南北合同チームも結成される見通しだ。

 「北朝鮮の東京大会への参加は楽観的だ。韓国と北朝鮮の国内パラリンピック委員会(NPC)から要望があればIPCとして合同チームも検討する。実現すれば、夏冬のパラリンピックを通じて史上初となる。平昌大会は北朝鮮2選手が出場し、開会式で合同入場行進も計画されたが、直前で見送られた。昨年10月のジャカルタ・アジアパラ大会は象徴的だ。合同チーム「コリア」が結成されて競泳の男子400メートルリレーで銅メダルを獲得している」

 ―ロシアの資格停止処分を条件付きで解除した。周囲の反応はどうか。

 「IPCはこの決定をできるだけオープンにして透明性を高くするため、各競技の選手代表者を呼んで意見を求めた。各国・地域のNPC関係者にも電話で確認した。ロシアは資格回復の条件だった世界反ドーピング機関(WADA)のマクラーレン報告書の内容を公に受け入れなかったが、70項目のうち69項目は満たした。一歩前進することが重要だと判断した。新たな条件で今後3年はロシアを監視できるし、条件を満たさなければ処分解除の無効も含めて厳しい姿勢で臨む」

 ―輸送や宿泊のバリアフリー対策で課題は。

 「この二つのバリアフリー化は大会を通して社会を変革する象徴的なものになる。日本の場合、地下鉄は非常に良い一方、車いす利用者のバス移動は改善の余地がある。東京はパラリンピックを照準に車いすに乗ったままで利用可能なタクシーの改良も進んでいる」

 ―東京大会の参加国・地域、選手数の見通し。

 「現時点では最大規模となる155~165カ国・地域から4350人程度になる見通しだ。16年リオデジャネイロ大会は159、12年ロンドン大会は164カ国・地域の参加だった。予選の状況にもよるが、東京では史上最大規模の祭典を期待したいと思う」

インタビューに応じるIPCのクレイグ・スペンス広報部長

 クレイグ・スペンス氏(CRAIG・SPENCE) 13人制ラグビーのイングランド・リーグでの広報担当を経て、2010年に国際パラリンピック委員会(IPC)入り。16年、欧州PRプロフェッショナルの年間賞を受賞した。英国リーズ出身。40歳。