ロシアとは現実路線、ワインは誇り

ジョージア首相会見

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インタビューに答えるジョージアのバフタゼ首相

 旧ソ連のジョージア(グルジア)のバフタゼ首相(36)が初来日し、東京都内で15日、共同通信と単独会見した。ロシアと対立するジョージアは、欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)への加盟を目指しており、実現に向けた国内改革が「順調」に進んでいると強調した。日本とは「経済関係発展の余地が大きい」と述べ、日本と投資協定を近く締結するのを機に、日本企業の対ジョージア投資拡大に期待を表明した。(共同通信=八木悠佑)

 ▽EU加盟への先頭走者

 昨年6月、首相に就任したバフタゼ氏は、「ジョージアはもともと欧州文明の一部だった」と指摘し、EUやNATOへの統合はあるべき自然な流れだとの認識を示した。EUとは自由貿易協定(FTA)を柱とする連合協定を締結済みで、NATOとは安全保障上の「主要パートナー」関係にあるとし、環大西洋の安全保障構造の中で「ジョージアは重要な役割を果たしている」と強調した。

 両機構への加盟に向けた具体的目標時期は明言しなかったが「民主主義確立や法の支配といった改革が進んでおり、(ジョージアは)加盟を目指す国の先頭走者だ」と胸を張った。

 ジョージアでは昨年12月、フランスの外交官出身という異色のズラビシビリ大統領が就任、親欧州外交の象徴的出来事と見なされた。バフタゼ氏は「大統領と、われわれの与党『ジョージアの夢』は将来を共有している」と述べた。

 ▽対ロは現実路線

 一方、ジョージアの国土の2割弱を占める南オセチアとアブハジア自治共和国は1990年代前半に一方的に独立を宣言、これを承認したロシアとは断交したままとなっている。ロシアに対しては「2008年にロシアが合意した(ジョージア)領内からの軍撤退の義務を果たさなければ、国交回復はできない」と指摘。2地域の問題については「これまで前向きな成果は得られていないが、あくまで平和的解決を目指し、国際社会と一丸となって、ロシアに影響を与えていく」と述べた。

 昨年、ロシア人150万人がジョージアを訪れたことに触れ、現実路線として、観光客の増加などロシアとの経済関係の発展は歓迎した。

 ▽日本の投資期待

 ジョージアと日本は昨年、2国間の投資協定に大枠合意した。バフタゼ氏は、交渉は実質的に終わり、残る調整を終え、協定を最終的に「2~3カ月以内に締結できる」との見通しを示した。発効すれば日本企業の進出に弾みが付くと期待を示した。

 世界銀行が事業環境を評価する国別ランキングで昨年、6位になったこともアピール。ジョージアに進出すれば「中央アジア・コーカサス地域へのゲートウエー(玄関口)として活用できる」と強調した。特に有望な産業として①総人口の2倍以上の年850万人が訪れる観光②水力資源が豊富なエネルギー③地域ハブとしての製造・物流④金融⑤農業―を挙げ、幅広い分野で日本企業に投資を促した。

 河野太郎外相が昨年、日本の外相として初めてジョージアを訪れたことに触れ、日本の地域一帯への関与拡大を歓迎。日本と「独立以来、素晴らしい外交関係を保っているが、経済協力では大きな飛躍の余地がある」と述べた。

 政権が力を入れる環境に配慮した経済開発や、防災分野でも日本の協力に期待を示した。

 ▽8千年の歴史

「8千年の歴史を持つ」というジョージア特産のワインは、「主要輸出品というだけでなく、民族の誇りであり、文化でもある」と強調。「日本市場で関心が高まっていることをうれしく思う」と述べ、輸出拡大に期待を示した。

 バフタゼ氏は13~16日に来日。滞在中、日本貿易振興機構(ジェトロ)などが主催する「日本ジョージア・ビジネスフォーラム」に出席、大規模なワイン展示会のオープニングセレモニーも開かれた。