【現地ルポ】グリニッジ天文台で子午線をまたぐ

グリニッジ天文台とは、17世紀に開設された王立の天文台です。現在は観測をしていないのですが、貴重な史跡といった位置づけになります。ロンドン郊外にあり、世界から観光客が集まる一大観光スポットです。

子午線をまたぐ

ゲートの前の24時間時計の美しいデザインをみて、ちょっと特殊な空間に来ていることを実感。

そのむこうに、子午線があるようです。入場料は£15(約2145円/2019年2月18日現在)。オンライン予約をすると£13.5になります。入場する前から、展示などいろいろあっても、その線をまたぐ一瞬にだけ価値がありそうだという予感がします。

そしていよいよ、子午線をまたぎます。左足が西、右足が東。あっけなく終了です。思ったよりも感慨がこみあげてきませんでした。なんとなく、東京の経度が記されたスポットに立ってみます。

現在、本当の子午線は東へ100mほどずれたところだと思うとなおさら虚しさを感じるのですが、史跡だと思うことがきっと大切なんですね。

ちなみに、この赤い球は13時ちょっと前に上に上がり、13時ちょうどに落ちて時を知らせるそうです。

建物内の見学

子午線を既にまたいでしまったので、あとは消化試合的な気分で建物内の見学になります。そのなかでポイントを探すとなると、天体観測室「オクタゴン・ルーム」でしょうか。八角形の部屋があって、セントポール大聖堂やケンブリッジのトリニティ・カレッジの図書館の設計などでも活躍したクリストファー・レンが設計しています。

あと、経度を計測するには基準となる場所との時間の差で測るという理論から、正確な時計づくりが急がれたそうでして。その時計がポイントのようなのですが、時計がありすぎたので・・・。

昔の太陽系の模型が物珍しい感じがしてよかったです。

おみやげコーナー

経度0度0分0秒デザインが多いようです。

地球儀や砂時計の模型、文字盤型のカレンダー。

時計をモチーフにしたアクセサリーはちょっと目を引くデザイン。

一番欲しいと思ったのが、24時間時計のレプリカ£150です。左の懐中時計£250もかわいいですね。イギリスの博物館などのおみやげコーナーには、必ず数万円単位の力が入ったおみやげが並んでいます。

グリニッジ天文台の楽しみ方

一番心に残ったのは、実はゲート入場前の光景です。グリニッジ天文台は高台にあり、金融街であるカナリー・ワーフのビル群が摩天楼のように見えます。ロンドンではこのような高層ビルが並ぶエリアは珍しいこともあり、なおのこと新鮮に感じます。

このカナリー・ワーフからニョキニョキとビルが伸びている様子、クラシカルな建物、テムズ川、そして芝生のコンビネーションが抜群に魅力的に感じました。都会のせいか、ガスが見えるはご愛敬です。

ところで、子午線については、普段どれくらい気にしているでしょうか。筆者は西洋占星術に興味があり、ネットでホロスコープをつくるときに、緯度と経度を意識することがあります。

また、海外旅行をする人や、海外との仕事のやり取りをする人は、時差を気にします。そのときに、かつて時間の中心だったグリニッジ標準時の存在がよぎる人がいるでしょう。

その程度ではありますが、グリニッジ天文台は、一生に一度でも世界の中心に立つような気分で来てみるとよいかと思います。

トリップアドバイザーの口コミをみると、閉館ギリギリだと入場料が無料のようです。展示については見なくてもよいと思うので、そのようなやり方もありなのではないかと思いました。

つまり、子午線とカナリー・ワーフの景色、この2点をおさえればOKです。

Royal Observatory

10:00~17:00

Blackheath Ave, Greenwich, London SE10 8XJ

https://www.rmg.co.uk/royal-observatory

グリニッジの街の観光

グリニッジの街には、他にもシンボルがあります。カティサークという紅茶を運んだという帆船の見学ができます。これは外側から眺めるだけでもちょっと気分が上がりますね。

街はイギリスらしさを感じられる街並みと、適度な人の混み具合で、雰囲気がよく、ぶらぶらするのはおすすめです。

また、食品やアンティークが並ぶグリニッジ・マーケットがあります。国立海洋博物館(入場無料)も大きな施設です。

そのあたりもまとめて見学すると、グリニッジに来てよかったなという気分になるかもしれません。

[All photos by Shio Narumi]

参考

[トリップアドバイザー]

[ニュースダイジェスト]

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