田名交通が破産手続き 413号代替交通、相模原市が変更

 田名交通としてタクシー事業を主に相模原市内で手掛けていた石井商事(相模原市中央区田名、石井貴之社長)が横浜地裁相模原支部から破産手続きの開始決定を受けていたことが、18日までに分かった。破産管財人の弁護士によると、負債総額は約2億2千万円に上るとみられる。決定は15日付。

 田名交通は、昨年10月に同市緑区の国道413号で起きた土砂崩れにより路線バスが一部不通となっている区間で、代替交通を運行していた。市は同社の破産を受け、市内の別のタクシー会社に変更したという。

 田名交通のホームページなどによると、同社は1964年に田名交通企業組合として設立し、2013年に株式会社に組織変更。今年に入って社名を石井商事に変えていた。最近は従業員約50人、車両23台ほどで営業していた。

 3月上旬に市の関係部署に対し同月末でタクシー事業を終了することを報告。同15日には従業員向けに説明会を開いた。同社労働組合によると、昨年から残業代などが支払われない状態が続いていたという。

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