“最強ドイツ”復活への序章! 逸材揃いのU-21代表が目指す欧州制覇

U-21ドイツ代表のミッテルシュテット photo/Getty Images

昨年からドイツ代表は悪夢の時間を過ごしてきた。ロシアワールドカップではまさかのグループステージ敗退に終わり、新たに始まったネーションズリーグでもリーグBへの降格を味わった。もはやブラジルワールドカップ王者との存在感はなく、一気に衰退した印象まである。しかし、今こそ若手の育成力を見せる時だ。

ブンデスリーガ公式が期待をかけているのは、U-21ドイツ代表だ。このチームは今年6月に行われる欧州選手権に出場するのだが、ここで優勝できる可能性があると期待されているのだ。何よりの強みはブンデスリーガでポジションを確保している選手が多いことで、この年代での経験値は圧倒的だ。

GKではマヌエル・ノイアーの後継者と言われるアレクサンダー・ヌーベルが成長しており、シャルケではリーグ戦でもゴールマウスを任されるようになっている。将来のA代表守護神候補と言っていい逸材だ。

最終ラインも豪華だ。残留争いに巻き込まれているものの、日本代表FW浅野拓磨、原口元気とチームメイトのDFヴァルデマール・アントン、シュッツトガルトで今季リーグ戦16試合に出場しているティモ・バウムガルトル、ヘルタ・ベルリンで左サイドバックとして19試合に出場しているマクシミリアン・ミッテルシュテット、センターバックから右サイドバックまでこなすライプツィヒのルーカス・クロスターマンら実力者が揃う。4人を合わせたブンデスリーガでの出場試合数は200を超え、クロスターマンは今回A代表の方に召集されている。

中盤ではドルトムントのマフムード・ダフード、ボルシアMGで7アシストを記録するフロリアン・ノイハウス、さらにトニ・クロースと比較されるブレーメンMFマキシミリアン・エッゲシュタインもいる。エッゲシュタインはクロスターマンと同じく今回A代表の方に召集されており、世代別代表のレベルを超えている。

アタッカー陣ではリーグ戦で得点こそないが、マインツで出番を得ているレヴィン・エズトゥナリ、フライブルクでは7得点を記録しているFWルカ・ヴァルトシュミット、出場時間は短いが、U-21ドイツ代表では8試合8得点と大爆発するシャルケFWセドリック・トイヒャート、マキシミリアン・エッゲシュタインを兄に持つブレーメンFWヨハネス・エッゲシュタインもいる。

また今年のU-21欧州選手権は1996年1月1日以降に生まれた選手に出場資格があり、A代表の方に召集されているレヴァークーゼンMFカイ・ハヴェルツやマンチェスター・シティFWレロイ・サネ、ライプツィヒFWティモ・ヴェルナー、レヴァークーゼンMFユリアン・ブラント、DFヨナタン・ター、パリ・サンジェルマンDFティロ・ケーラーも対象に入る。この若手選手層の厚みこそドイツ最大の強みだ。

タレントは揃っているだけに、若手を適切に組み込めば再び成績は上がってくるはず。2022カタールワールドカップにも優勝候補として出場できるはずで、驚異の若手選手たちがどこまで伸びるかがポイントとなりそうだ。

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