フィニッシュ後の無線は「自分の気持ちを伝えたかっただけ」。ボッタスが“Fワード”の真相を明かす

 メルセデスのバルテリ・ボッタスは、開幕戦オーストラリアGPの決勝レースでフィニッシュラインを通過した際に無線で突発的に叫んだ言葉は、思わず発したものだったと語っている。

 ボッタスのレースエンジニアを務めるリカルド・ムスコニは、ボッタスの優勝について、未勝利に終わった2018年シーズンからの復活だと祝いの言葉を述べた。するとボッタスは、それに対して「ある人たちへ。くそったれ!」と返答した。

 その言葉は自然に出てきたものだったが、この言葉がボッタスのドライバーとしての能力を疑っていた人々に向けられていたのは明白だ。

「僕は自分の気持ちを最高の形で伝えたかっただけだ」とボッタスは説明した。

「正直それだけのことだよ。考えたり計画したりはしていなかった。ただ言葉が出てきたんだ」

「僕が多くの人たちに支えられていることは間違いない。周りにいてサポートしてくれている人たちに本当に感謝している」

「スポーツでは常に浮き沈みがあるが、本当の支援を容易く得ることもできる」

「厳しい時期にはより否定的な人たちも現れるけど、それは彼らの弱さだから僕は気にしない」

「僕が『ある人たちへ』と言ったのは、彼らがたまには鏡を見て、なぜ僕の能力を疑うようなことをしたのか考えるべきだと思ったからだ」

 自身の運命を左右することになる2019年シーズンに向けて、ボッタスは冬の間に精神面と身体面のリセットをして、エネルギーを再充電した。今回のレース結果によって、ボッタスは軌道に乗ることができただろう。

「この結果は本当に特別なものであることは間違いない。僕のF1での4勝目に過ぎないけれど、勝つことができなかった2018年の後だから、いっそう素晴らしい勝利だ。だからとても嬉しく思っている」

「でも勝利は簡単に得られるものではない。特にあのようなペースで勝つには、多くの作業が必要だ」

「優勝するためには優れたマシンが必要だ。プレシーズンテストは非常に厳しかったけれど、チームとして僕たちは優れたマシンを作ることができた。ここで僕たちは予想よりも速かったし、マシンのおかげでそれが可能になった」

「僕としては、これまでのキャリアにおけるベストレースだったと言わなきゃいけないね」

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