石木ダム本体工事費で回答に差 知事「好ましくない」

 県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダムの本体工事費を、県が報道機関の取材に明らかにせず県議会の委員会質疑で示したことを巡り、中村法道知事は18日の定例会見で「議会だから県民の皆さんだからと(県が回答内容に)差をつけるのは本来、好ましくない」と述べた。
 県は新年度一般会計当初予算に石木ダムの関連事業費として19億1800万円を計上。しかし、2月に当初予算案を発表した際の取材には、ダム本体工事費の金額を「言えない」としていた。3月の県議会委員会での総括質疑では約5億円と示した。県河川課は同日、4月上旬ごろ国が補助額を決めるまでは事業費が大きく変わる可能性があるとして「当初予算案の発表段階では内訳費用は公表を差し控えた。議会で問われたので答えた」と説明した。
 また反対派の市民団体が求める公開討論会について知事は「さまざまな説明をする機会を設けてきたし現在、訴訟になっている。こういった状況で公開討論会をするのはいかがなものか」との見解を示した。

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