被災するという現実

生活再建への「正しい」知識の備え(1)

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突然の災害、イメージできますか

大きな自然災害で「被災する」とどうなるのかをイメージしてみましょう。倒壊した建物、寸断した道路や橋、停止した交通網、断絶した通信インフラ…。誰でも真っ先にそのような目に見える住宅や街の被災した光景を思い描くでしょう。でも、その被災地となった街には、そこに住み、仕事をしていた、「人」がいたはずです。それはあなたの会社の社員かもしれませんし、あるいはあなた自身かもしれません。

会社の同僚や部下は、お客様は、そして何より災害直後に助かったあなたは、家族は、いったいどんな悩みを抱えることになるのでしょうか。「被災する」とは私たちにとってどういうことなのでしょうか。

皆様ご自身の、今の生活を想像してください。一人暮らしの方も、家族と一緒に暮らしている方も、住まいや、収入や、教育や、医療や、介護や、マンションやご近所の付き合いや、習い事や、あるいは株や投資や。当たり前の今を想像してください。

「自宅を失い、職場も閉鎖された。収入も当面入ってこない。住宅ローンの支払いも残っている。いったいどうしたらいいのでしょうか」「いろいろなニュースや情報が流れるが、よく理解できないし、自分のことかどうかもわからない。まず何をしたらよいのでしょうか。どこへ行ったらよいのでしょうか」絶望的ともいえる被災した方々の声。そこから希望の第一歩を踏み出すために、知っておくべきことは何でしょうか。

「もしも大災害で社員が被災したら?生活再建への『正しい』知識の備え」では、災害後、私たちが日常生活を取り戻すために役立つ、生活再建の知識について紹介していきます。あなたの会社で社員が被災した際、あるいはあなた自身が被災した際、必ず役に立つはずです。

企業ではBCP(事業継続計画)の必要性が叫ばれていますが、結局のところ、災害直後に企業に人が再び参集し、経済活動や復旧活動をするためには、企業における従業員一人ひとりの生活が安定していなければなりません。

社員が被災すれば、「自宅が全壊してしまったが、まだローンが2000万円以上残っている」「借りていたアパートが一部損壊してしまったがオーナー側の修繕はまったく期待できないし、修繕を立て替えても支払い見込みがまったくない」「家族が亡くなってしまったが、生活保険金などはなく、家計が厳しくなってしまった」など生活再建に向けた声を数多く聞くことになるでしょう。

これからお話ししていく「知識の備え」の多くは、実は、いまある「法律」というものに基づいています。東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨などの大災害でも行われてきた支援なのです。

(了)