メルセデスF1代表、事前にボーナスポイント獲得禁止を言い渡すも、ドライバーとエンジニアは黙殺

 メルセデスF1チームトップのトト・ウォルフによると、日曜日のオーストラリアGPでバルテリ・ボッタスとルイス・ハミルトンのふたりに出した、ファステストラップを狙わないようにというチームオーダーは、程なく無視されたという。

 優勝したボッタスは、レース終了の2周前の周回でボーナスポイントを獲得し、メルボルンでの堂々とした走りを締めくくった。

 だがチームの朝の打ち合わせでウォルフは、トップ3でフィニッシュするであろう可能性を、ファステストラップを狙うことで台無しにしたくないという考えを明確にしていた。ただし、その指示は無視されたようだ。

「今朝のミーティングで戦略について話をしたが、私はトップ3圏内走行中にファステストラップを狙うことをチームに禁じていた」とウォルフは語った。

「彼らは私を無視したよ。彼ら全員がね!」

「エンジニアとドライバーたちの策略だったのだろう。エンジニアたちは乗り気だったからね。どのようにしてそんなことが起きたのか、無線での連絡を聞き直してみる必要がある」

「最終的には非常に満足している。追加のポイントを獲得するのは良い事だと思う。楽しめるし、素晴らしい見せ場の一部だ」

 ドライバーたちは何も問題を起こさなかったものの、ウォルフはいまだにレース終盤で猛ダッシュすることのリスクと利点の割合について納得していない。

「それにはリスクがあると考えている」とウォルフは付け加えた。

「特に大量得点を目指しているときに、ファステストラップを狙うべきだろうか?」

「だがもしかすると、私が考えるマシンのコントロールを維持するための基準は、私自身の運転技術が元になっていて、F1ドライバーのレベルとは違うのかもしれない。私は(ファステストラップを狙うのは)好ましくないと思ったんだ」

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