中村蒼が詐欺グループの“かけ子”役。役と正反対の心境に「難しかった」

©株式会社東京ニュース通信社

NHK総合で3月23日放送の「NHKスペシャル『詐欺の子』」(午後9:00)の試写会が行われ、主演の中村蒼、共演の長村航希、髙橋ひかる、渡邉蒼が出席した。詐欺グループの“かけ子”のリーダー・嘉川大輔役を演じた中村は「オレオレ詐欺、振り込め詐欺といった特殊詐欺を扱った作品です。まず本当にいけないことだな、心の底からなくなったらいいなと思いました。ただ、その中では家庭や友人の環境から詐欺の世界に足を踏み入れてしまっている少年たちがこんなにも多くいるのだとも思わされました」と訴えた。

同番組は振り込め詐欺の加害者となる少年たちの実態をドラマとドキュメントで明かすもの。複数の事実を基にしたドラマでは、娘をかたる女から電話がかかってきた一人暮らしの小山田光代(桃井かおり)が警察に通報し、現れた14歳の“受け子”の三浦和人(渡邉蒼)が逮捕される。様子をうかがうために裁判を傍聴に行った大輔が、証人として出廷した光代の話を聞くうちに自分たちの詐欺によって苦しむ被害者の心情を知ることになるストーリーが描かれる。

中村は「僕は普通の環境で育ち、そんな話はまったくないところで育ったありがたみも感じました」と作品を通じて自身が恵まれた環境で育ったことを痛感したようで、「どうしても撮影中に間違っていると悩んでしまう瞬間があった。多額の報酬を見つめているシーンで、僕はこれで正しいのかと迷ってしまった。本当の自分の気持ちと、これでいい生活ができると達成感を持つ役の心境が正反対すぎて難しかったです」と悩みながら演技をしたことを明かした。

また、渡邉は「ひいおばあちゃんがオレオレ詐欺に引っかかったことがあって、実際にはお金は払わなかったのですが、あの声は僕の父親だったと主張したまま亡くなってしまった」と身内が詐欺に巻き込まれたことを告白し、「そういう人たちはたくさんいるはず。この先の日本に必要な作品になっているはずです」と強調していた。