キリシタンの歴史 思いはせ 長崎大付属中合唱団

 音楽を通して郷土の歴史へ理解を深めようと、キリシタン関連の歌に積極的に取り組んでいる長崎市文教町の長崎大付属中(岡野利男校長)の合唱団は23日、大分県竹田市の竹田キリシタンホールでコンサートを開く。テーマは「竹田と長崎を繋(つな)ぐ南蛮音楽の絆」。両県に共通するキリシタン関連の歴史に思いをはせながら、練習に励んでいる。
 18日午後の同校音楽室に部員たちの歌声が響く。天正遣欧少年使節を描いた交響詩曲「伊東マンショ~時を超える祈り~」(伊藤一彦短歌、出田敬三作曲)や、竹田市で少年時代を過ごした作曲家、滝廉太郎の「荒城の月」など、顧問の力田和歌子教諭(41)の指揮に合わせて、ハーモニーや曲の表情を確認していく。
 大分県は本県同様、16世紀に宣教師ザビエルが訪れ、キリスト教が広がり、南蛮貿易が栄えた。竹田市内には禁教令後に宣教師たちが隠れながら布教活動をした「キリシタン洞窟礼拝堂」(大分県指定文化財)などが残っている。今回のコンサートは、顧問の力田教諭が昨年末、竹田キリシタン研究所・資料館を訪れた縁で開催が決まった。
 生徒たち14人は当日、16曲を披露する。部長の八度(やつど)光彩(ひかり)さん(14)は「自分たちと同じ年ごろで命をかけ海を渡った少年たちの勇気と決意を歌で伝えたい」と話した。

本番へ向けて練習に励む合唱団=長崎大付属中

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