儀式詳細に記載、東山天皇即位の版画見つかる 大津・三井寺

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詳細な説明が随所に記された東山天皇即位図(大津市御陵町・市歴史博物館)

 江戸時代に京都御所紫宸殿(ししんでん)で行われた東山天皇即位の様子が描かれた版画がこのほど、三井寺(園城寺、大津市)の法明院で見つかった。儀式の手順や装束などを詳細に説明する注記が添えられているのが特徴。19日から、同市御陵町の市歴史博物館で速報展示されている。

 「東山天皇即位図」(縦65センチ、横120センチ)。同館の企画展「フェノロサの愛した寺 法明院―三井寺北院の名刹―」(大津市、京都新聞など主催)の開催に先立つ同館の調査で、法明院で見つかった約2千点の新資料の一つ。菊の紋入りの漆塗りの箱に収められていた。

 版画は、1687(貞享(じょうきょう)4)年の東山天皇の即位の場面が題材。紫宸殿(ししんでん)の庭に鉾や旗が立ち並ぶ様子や、紫宸殿に置かれた高御座(たかみくら)を取り囲む摂政や内侍、典侍などが描かれていた。注記には「新帝出御アリテ 御灌頂アリ 其レヨリ紫宸殿ノ高御座ヘナラセ玉フ」など即位の様子が詳細に書かれ、儀式の流れや装束、所作、職名の記述もあった。署名のある延暦寺横川雞足(けいそく)院の僧覚深(かくじん)(1637~1707年)が版画を手に入れ書き込んだとみられる。

 同館の鯨井清隆学芸員(33)は「これだけ細かく注記がされているのは珍しく、宮中の儀式の様子が分かる貴重な資料」と話した。同館の常設展示室2階で5月12日まで展示される。観覧料が必要。