迫る 県議選 平成最後の戦い・6 島原市区(定数2) 前回同様 三つどもえ

 3選を狙う山本由夫と、再選を目指す大場博文の自民2人に、前回の雪辱を誓う無所属元職、楠大典が挑む。三つどもえとなった4年前と同じ顔触れ。無投票の観測も流れていた中での楠の参戦に山本、大場の両陣営は「知名度や議員経験は抜群」と警戒する。
 「自民独占を許さない。県議会での議論を深めるためにも復活するしかない」。島原市内での毎朝のつじ立ちで、楠はそう訴えている。前回、自治体合併で定数2となった2007年以降、初めて自民が議席を独占した同市区。楠は「年齢的に再挑戦へ不安があった」と当初、別の候補者擁立の動きを待ったが具体化せず、昨年12月、出馬を決断した。立憲民主、国民民主、社民が推薦し、連合長崎などが支援。「2人を追う立場」と出遅れ挽回を急ぐ。
 混戦となった前回、トップ当選した山本は2月、他陣営に先駆けて事務所開き。自身が常議員を務める島原商工会議所の関係者や医師会、建設業協会など各種団体の代表らが出席し、気勢を上げた。態勢を整えつつも、「議員歴がまだまだ浅く、知名度は高くない」(山本)。後援会や、会社経営者として培った個人的つながりを生かし、基盤固めを進める。
 前回の初当選後も、市内で朝のつじ立ちを地道に重ねる大場は、後援会世話人を置く地区が増えるなど、態勢を徐々に拡大。地元回りに精を出し「この4年間、市民の声を聞き続けた」と自負するが、「ほかの2人が持つ組織力はない」(大場)。市議時代からの後援会を足掛かりに、“草の根”で浸透を図っている。=文中敬称略=

◎立候補予定者

 ▼島原市区
山本 由夫 57 自現(2)
大場 博文 53 自現(1)
楠  大典 71 無元(3)

 【おことわり】立候補予定者名簿の政党は衆院勢力順(自民=自、立民=立、国民=国、公明=公、共産=共、社民=社、無所属=無)。同じ政党内は現職、元職、新人の順で、当選回数(丸数字)ごとに五十音順。

© 株式会社長崎新聞社