「りゅうぐうに水」予想ぴたり はやぶさ2、示した会津大の底力

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 「りゅうぐうを目的地に選んだのははずれではなかった」。はやぶさ2プロジェクトの鍵を握る会津大研究チームの出村裕英教授らは同大で開いた記者会見で、論文掲載の喜びを語った。同大研究チームが、宇宙の謎の解明に向けて躍進する一大プロジェクトにおいて存在感を示した。

 記者会見には出村教授のほか、陳文西先端情報科学研究センター長と、りゅうぐうの3次元立体地図を作製した平田成上級准教授が出席した。論文の概要を解説した平田上級准教授は、生命の源となる水や有機物の存在を解明することがプロジェクトの大きな意義と強調。「水があると予想してりゅうぐうを目的地に選んだ」とにっこり。「次の段階では、着陸で採取した試料を分析し、観測結果と比較することが重要だ」と話した。

 出村教授は東日本大震災以降に本格化したはやぶさ2プロジェクトについて「震災直後は苦しい状況だったが、はやぶさ2ファンから『頑張れ福島』『頑張れ会津大』との応援メッセージをいただいた」と振り返り「応援を受けながら継続してきた努力が今回の成果に結び付いた」と喜びと感謝の気持ちを述べた。

 ◆がれき集まり形成か 同大チームの教員や学生は水を含んだ鉱物に関する論文のほか2本の論文についても共著者として論文掲載に貢献した。

 出村教授、小川佳子准教授、山田竜平特任准教授らが携わった論文は「リュウグウの表面地形、多色画像、熱物性から探る母天体の進化」。

 りゅうぐうの元となった小惑星(母天体)は、火星と木星の間に広がる小惑星帯のうち、火星に近い側にあった。そこに別の天体が衝突し、飛び散ったがれきが寄り集まってできたのがりゅうぐうとみられる。内部に隙間が多いことを根拠とした。チームはクレーターの数から、りゅうぐうが1億~2億年前には、ほぼ今の姿になったと推定した。

 論文「『はやぶさ2』が到着した炭素質小惑星162173リュウグウ—コマ型ラブルパイル」は、平田上級准教授と本田親寿准教授、杉山貴亮さん(大学院修士2年)らが携わった。観測に基づいて作製したりゅうぐうの3次元立体地図や質量、密度などの物理データから、りゅうぐうの形状と構造を詳しく説明した。