bird『波形』本日発売!TBSラジオ『アトロク』生ライブ決定!セルフ・ライナー・ノーツ、冨田恵一、KASHIF(PPP)、角田隆太(ものんくる)、江崎文武(WONK)からのコメント大公開!

本日3月20日(水)、 デビュー20周年を迎えるbirdのニュー・アルバム『波形』が発売された。 この発売を記念してTBSラジオ『アフター6ジャンクション』通称“アトロク”に本日生出演することが決まった。 ニュー・アルバム『波形』収録曲からスタジオ生ライブを行う予定だ。

発売にあわせてbird自身による『波形』収録曲のセルフ・ライナー・ノーツが公開された。 ラジオ・オン・エアでもおなじみの『記憶のソリテュード』『3.2.1』などの本人による解説や、 制作秘話など興味深いエピソードが満載だ。 またプロデューサー冨田恵一や、 作曲でアルバムに参加しているKASHIF(PPP)、 角田隆太(ものんくる)、 江崎文武(WONK)ら新進気鋭のアーティストたちからのコメントも公開された。

またアルバム発売を記念して行われる『 bird“波形”ライブ 』の詳細情報もついに解禁された。 4月19日(金)@ Billboard Live TOKYO(東京)、 5月2日(木・祝)@ Billboard Live OSAKA(大阪)、 両日ともに冨田恵一をバンド・マスターとするバンド編成にて『波形』収録曲の再現ライブを行う予定だ。

『波形』発売によって本格的にはじまるbird20周年プロジェクト。 今回リリースされた情報の詳細や、 最新情報は20周年特設サイトにて公開されているので要チェックだ。

1.波形
一番最初にできた曲です。 今回のアルバムを作るにあたって最初のテーマであった「言葉とリズム」というところから、 歌詞先行でスタートしました。 前作の「Lush」でも冨田さんと歌詞先行で進めていった曲がありましたが、 自分で書いた言葉にどんなメロディーが重なっていくのだろう、 と毎回ワクワクします。 言葉が音に、 歌に、 曲になっていく過程を想像して楽しんでいただけたらうれしいです。

2.ミラージュ
KASHIFさん(PPP)とは以前イベントでご一緒した後に「BlueSongs」というアルバムを送っていただきました。 とても素敵なアルバムで、 いつか曲を書いてもらえたらいいなと思っていました。 この曲はとてもグルーブが気持ちいいので、 この気持ちよさにそのまま歌も乗せていきたいと、 歌入れまでに歌う時のリズムを自分で色々と試しました。 何年も前になりますが、 The Baker Brothersの「Soul Shine」(この曲もグルーブが気持ちいい)という曲の歌入れをした時に、 ベースのクリスからアドバイスをもらったことが、 この曲にいきているのでは!と個人的には思います。

3.記憶のソリテュード
アルバム制作で一番最後にできた曲です。 この曲が送られてくるのと一緒に冨田さんからの伝言に「birdさんはGかAくらいまでの声が特に良いので」と書かれていて、 普段あまり自分の声について考えることってないのですが(勿論日々の練習などで声とは向き合ってはいますが)、 そうなんだ!と非常に興味深かった思い出があります。 実際歌ってみると、 確かに!力むことなく、 気持ちよく、 いい歌が歌えたと思います。 またこの曲に関しては、 歌詞を書くにあたっての言葉の響きについての伝言もあり、 言葉の響きの心地よさも感じてみてください。

4.Know Don’t Know
冨田さんプロデュースで私のアルバムを作るということで、 角田隆太さん(ものんくる )が曲を作りたいと言ってくださいました。 とてもうれしかったです。 歌詞先行で進めていきました。 初めましての方と歌詞先行で曲を作っていくことは今まであまりなかったのですが、 角田さんから送っていただいた曲は言葉とメロディーがかっこよく合わさっていて、 初めましてとは思えない(何度も一緒に作っているような)一体感のある曲になりました。 角田さんから送られてきた仮歌もリズムを体に馴染ませるのに非常に参考になりました。

5.GO OUT
WONKの「Sphere」というアルバムがかっこよくて、 江崎文武さん(WONK)にいつか曲を書いてもらえたらいいなと思っていました。 メロディーの温度感が心地よく、 シンプルでかっこいいので、 歌詞もそれに寄り添う感じで書き進めていきました。 私はコーラスを録音する時は長く愛用しているCASIOの小さいキーボードを持っていくのですが、 この曲でも活躍しました。 冨田さんから「birdさんはいつもこれ持ち歩いてますね。 コーラスを録音した時に、 キーボードの音が歌の前によく入ってる(笑)」と言ってました。

6.Sunday Sunset
特に何用というわけでもなく、 自分で作っていた曲でいつか形になったらいいなと思っていました。 冨田さんのサウンドメイキングによって、 私の頭の中で見えていた映像やイメージが音になってこんなにもぴったりと立ち上がってくる、 これは一体どういうことなんだろうと毎回びっくりしてしまいます。 そして私はどれだけ夏が好きなんだろう、 書いても書いてもまだ書きたくなる、 夏という季節が好きです。

7.Hakeinterlude
曲順をみんなで考えている時に、 当初先述した「Sunday Sunset」の次がこの後にくる「雪のささやき」の流れがいいねということになったのですが、 夏の曲の次に冬の曲が来る(季節を描いた曲はこの2曲だけだったので)のが少し気になるということを私が冨田さんに伝えたところ、 ではその間にインスト曲を作っていい流れになるようにしましょう、 ということになりました。 とても心地よいインタールードです。

8.雪のささやき
冨田さんからこの曲が送られてきて、 何度も繰り返し聴いていくと、 リズムの音が氷の割れるような音に、 そしてその遠くで鳴っているリズムが小さいささやきのように聞こえてきて、 これは冬の歌にしよう!と書き始めました。 20年間作詞をしてきて、 初めての冬の曲になりました。 先ほどから読んでくださっている方にはわかると思いますが、 私は夏が好き、 冬は一番苦手な季節です。 これまで冬という季節に対して、 よいイメージがなかったせいか冬にまつわる歌詞も書いてきませんでした。 それが変わったのは、 そうだシリーズというライブで冬の北海道を何度かぐるぐる回ったことによって、 「冬の良さ」を少し実感したからかもしれません。 雪の世界に広がるイメージを歌詞を書き、 歌入れをした後、 冨田さんがさらにその世界観を広げていってくれました。

9.3.2.1
アップテンポの曲もスローの曲も、 その曲のグルーブが気持ちいい時、 歌のアプローチは特に注意をしなければいけないなと感じています。 歌のアプローチによっては、 せっかくかっこいいグルーブを止めてしまうことがあって、 そうならないように歌っては録音し、 聞いて修正し、 体に馴染ませる、 そして歌入れに向かう、 そのように心がけています。 リズムって難しいけど、 面白い、 わからないこともまだまだたくさん。 この曲も歌っていて得るものが多かったです。 コーラスもたくさん歌いました!

10.スローダンス
冨田さんとのアルバム作りで、 貴重だなと感じることの一つとして、 曲がアップデートされていくその過程を体感できるということがあると思います。 個人的にこの曲はそれを特に感じられる気がしていて(みなさんは最終段階しか聴けないので、 申し訳ないです)、 曲が少しずつ鮮やかに目覚めていく、 はあ、 とため息が漏れてしまいます。 アルバムの最後にこの曲という曲順が好きです!(冨田さん案)

冨田恵一(冨田ラボ)
制作前にbirdさんから「語るように歌う、 そんな曲がやりたい」との話があった。 たぶん参加してくれたみなさんにも伝えられたであろうこの言葉は、 そのままアルバム・コンセプトとなった。
とはいえ、 シンガーのポップス・アルバムだから、 僕や作家陣はコンセプトを解釈、 工夫してポップスに仕立てた。 このアプローチでは、 メロディのフォルムや曲の構成など、 普段は曲調やジャンルのマナーに委ねていた部分にも意識的になる。 こういったことがポップスを更新するのだと思った。 と同時に、 ただ聴けば楽しめる作品に仕上がったのがいちばん嬉しいのは、 それがポップスに必須の条件だからだろう。 ぜひ聴いてください!

KASHIF (PPP)
今回のオファーをメールで頂いた時、 読み終えて少しボーッとしてしまった様な気がします。 自分が特に作家として多作で知名度があったり、 ましてや自分名義の作品が多い訳でもなく。 なのにメッセージの中にはbirdさん、 冨田恵一さんのお名前と共に作曲の依頼という言葉までがあった訳です。 音楽人としての思いを投影して余りあるお二人と、 自分の様なスタンスを持つ者が接点を持てる日が訪れた事に驚いたと言うのが正直な気持ちでした。
以前birdさんとイベントをご一緒する機会があった際、 鍛錬を続けて表現に肉迫する歌声といいますか、 そう言う説得力に触れた気持ちになったのをはっきり覚えています。 更に今回は冨田恵一さんのアレンジを作曲当事者として経験できると言う最高の贅沢までも。 新たなステップを頂けた事を心から感謝しています。 ありがとうございました。

角田隆太(ものんくる)
birdさんデビュー20周年おめでとうございます!今回僕が一緒に作らせてもらった「Know Don’t Know」は、 birdさんから歌詞が送られてきたとき既に言葉から強くメロディーを感じたので、 僕はそれを丁寧に採譜していくというイメージで作った曲です。 絶望と希望がないまぜになったような曲の世界観を冨田ラボさんの素晴らしいアレンジでまとめあげてもらっています。 是非聞いて見てください。

江崎文武( WONK)
初めて聴かせて頂いたbirdさんの曲はSOULSだったかと思うのですが、 中域がすごく心地いいなと
思いました。 歌い回しがフラットめなのが奏功しているのか、 いい意味でトラックも立ってくるなと
も思いました。 1stアルバムのbirdがリリースされた頃まだ僕は幼稚園から小学校に上がったばかりだ
ったのでリアルタイムで追えてはいないのですが、 今でもR&B, Soul, Hiphopのシーンで活動する僕
ら世代の仲間内でリスペクトされているシンガーのうちのお1人です。
今回のテーマは歌モノと語りの間を行くような楽曲とのことで、 サビまでは抑制的なメロディー、 サ
ビでは思い切り突き抜けるようなポップさを持つ楽曲にしたいなと思いました。
作曲した際のデモ段階では生楽器中心のサウンドだったのですが、 冨田さんとbirdさんの手にかかっ
たことでまた全く違う曲に生まれ変わったなという印象でした。 イントロとアウトロは冨田さんの手
によるものなのですが、 これによって楽曲全体がグッと引き締まった印象です。
冨田さんとは以前からT.O.C BandやRed Bull Music Festivalでご一緒させて頂いていたので、 今回こ
うして一緒に制作させて頂けるということがまず大変嬉しかったです。 作編曲家としてはもちろん、
奏者としても、 とても尊敬しています。 楽曲のアレンジや収録を完全にお任せする形は初めての経験
でしたし、 常日頃、 仲間内でやっている阿吽の呼吸的な創作から離れた形での創作は新鮮で勉強にな
りました。

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