体罰禁止や守秘義務を法定化…児童虐待を防止する改正法案提出へ

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児童虐待防止対策の抜本的強化について(ポイント)

児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議は2019年3月19日、「児童虐待防止対策の抜本的強化について」を決定。体罰禁止の法定化、児童相談所の体制強化、学校・福祉施設などの職員に関する守秘義務の法定化などが盛り込まれ、改正法案を今国会に提出する。

児童虐待防止対策の抜本的強化は、昨今の虐待相談件数の急増、2018年3月の東京都目黒区の事案や2019年1月の千葉県野田市の事案などを踏まえたもの。対策の実施にあたり、児童虐待を防止するための児童福祉法などの改正法案を今国会に提出するとともに、2020年度予算に向けて具体化を図るという。

抜本的強化の内容をみると、子どもの権利擁護、児童虐待の発生予防・早期発見、児童虐待発生時の迅速・的確な対応、社会的養育の充実・強化を掲げている。子どもの権利擁護では、体罰禁止について法定化し、体罰や暴力による悪影響が広く理解され、体罰によらない子育てが進められるよう、普及啓発活動を行う。また、民法上の懲戒権の在り方について、施行後2年を目途に必要な見直しを検討。子どもの保護および支援にあたって、子どもの意見表明権を保障する仕組みについても、施行後2年を目途に必要な検討を進める。

児童虐待発生時の迅速・的確な対応では、児童相談所の体制強化や設置促進、関係機関間の連携強化などを実施。介入的な対応などを的確に行うことができるよう、一時保護などの介入的対応を行う職員と支援を行う職員を分けるなど、児童相談所の機能を分化する。また、児童相談所が措置決定その他の法律関連業務について、常時弁護士による助言・指導の下で適切かつ円滑に対応できるよう、弁護士の配置またはこれに準じる措置を行うものとする。そのほか、児童相談所における医師・保健師の配置の義務化、学校・福祉施設などの職員に関する守秘義務の法定化などが盛り込まれた。

社会的養育の充実・強化では、里親の開拓に向けた周知・広報とともに、里親の負担軽減(一時的に子どもを預かるサービスの利用促進)や手当の充実など支援拡充を図る。また、特別養子縁組の成立要件を緩和する(養子となる者の年齢の上限を引き上げる)などの見直しを行う。

文部科学省は教育委員会などに向けて、「児童虐待防止対策の抜本的強化について」などを踏まえ、児童虐待の防止に向けた取組みが各学校・教育委員会などにおいて行われるよう改めて要請。また、19日に発表した文部科学大臣メッセージ「全国の児童生徒の皆さんへ~安心して相談してください~」の内容を、機会をとらえて児童生徒、保護者、地域住民や教職員などに伝えるよう、協力を求めている。

黄金崎綾乃