「まつ」縁に相互交流 石川郷土史学会と生誕地の愛知・沖之島 

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 加賀藩祖前田利家の正室まつを縁に、石川郷土史学会と、生誕地である愛知県・沖之島の郷土史家でつくる史跡保存会が20日までに相互交流をスタートさせた。研究成果や情報を交換して見識を深めるほか、双方向でゆかりの地を訪ねる機会などを設け、「百万石の母」の足跡を発信する手だてとする。

 加賀藩史料などによると、まつは1547(天文16)年、尾張の沖之島(現・愛知県あま市七宝町沖之島)に生まれ、4歳で前田家の養女となった。12歳で利家と結婚し、加賀百万石の礎を築いた利家を生涯にわたって支えた。

 まつが沖之島で過ごしたのは幼少期のわずかな期間であり、現地にまつの出生を示す詳しい史料は残されていないという。地元の有志でつくる「おまつの方生誕地保存会」が史料収集と交流を目的に、まつの研究をライフワークにしてきた石川郷土史学会副会長の野村昭子さん(86)を訪ねることにした。

 19日は保存会の林光政会長(83)ら会員4人が、利家とまつを合祀(ごうし)する尾山神社を訪れ、金沢側から野村副会長、横山方子幹事、加藤治樹宮司が迎えた。

 沖之島ではまつの生誕地を「歴史的財産」として認識し、説明看板や、位牌(いはい)をまつる日蓮宗瑞円寺(ずいえんじ)に標柱を設置するなど顕彰に努めている。2017年に市の助成を受けて保存会を結成し、ご当地武将による観光PRとしてウオーキングイベントなどで歴史を解説している。

 林会長は「郷土史研究者同士が交流して知識を深め、多くの人にまつの歴史を伝えたい」とした。利家を縁に金沢と名古屋市中川区が友好を深めていることに触れ「将来的には、金沢、あま市の交流につなげたい」と話した。

 一行は金沢城公園も訪ね、藩主が政務を務めた二の丸の近くにあった芳春院丸跡も見学した。