【MLB】トラウト、米スポーツ史上最高の総額480億円契約も…米紙「それでも安い」

エンゼルスのマイク・トラウト【写真:Getty Images】

メジャーNO1プレーヤーの価値は絶大「金額は依然として非常に少ないまま」

 エンゼルスとマイク・トラウト外野手が12年総額4億3000万ドル(約479億5000万円)の超大型契約に合意したと米複数メディアが報じた。メジャーNO1プレーヤーは2020年まで2年総額6650万ドル(約74億1500万円)の契約を残しており、これに10年総額3億6350万ドル(約405億3500万円)が上乗せされた形。米スポーツ史上最高総額での歴史的な契約となったものの、米メディアは「それでも安いくらい」と伝えている。

 メジャーではこの1か月で大型契約が次々と誕生。マニー・マチャド内野手がパドレスと10年総額3億ドル(約334億4700万円)で契約し、FA史上最高契約総額を更新すると、ブライス・ハーパー外野手はフィリーズと13年総額3億3000万ドル(約376億5000万円)でサイン。マチャドの記録だけでなく、2014年オフにジャンカルロ・スタントン外野手(ヤンキース)が当時所属していたマーリンズと結んだ13年3億2500万ドル(約362億4100万円)をも塗り替えて、米スポーツ史上最高総額となっていた。

 トラウトはこれらの記録を全て更新。年平均でもザック・グリンキー投手(ダイヤモンドバックス)の3440万ドル(約38億3500万円)を上回り、史上最高の約3583万ドル(約40億円)となった。

 まさに天文学的とも言える額だが、米紙「ワシントン・ポスト」は「球界で4億3000万ドル稼ぎ出すマイク・トラウトは、それでも安いくらいだ」とのタイトルで特集。これほどの金額でも、メジャー最強選手の価値には見合わないという。

2020年オフのFAを待てばさらに高額契約だった?

 記事では「トラウトは球界において、彼が見せるパフォーマンスの価値のわりには、彼の受け取る金額は依然として非常に少ないままである」と指摘。27歳の若さで2度のMVPを誇るトラウトの輝かしい実績に触れ、「キャリアの更に若いころから、周囲から球界最高の選手だと考えられていた」としている。

 さらに、現在メジャーで最も重視されている指標「WAR」がいかに飛び抜けているかなども紹介。契約を延長しなければ、2020年オフに契約満了でFAになる予定だったことことから「彼がその時を迎えた際、ヤンキースやドジャース、フィリーズといったリーグの中でも大盤振る舞いをする球団が主導となって、異常な争奪戦が巻き起こることになると予想されていた」としている。

 そして、実際にFAになれば、今回の金額を上回る契約を得られた可能性が高かったとも予想。「あり得ないように聞こえるかもしれないが、今回トラウトが結んだ新しい契約が記録的な類であることを考慮すると、彼がFAを迎える前に去就を決めてしまったことで、彼と代理人のクレイグ・ランディスは、得られたはずの金額をみすみす逃したと、ほぼ間違いなく言えるだろう」。これらが、トラウトの新たな契約を同紙が「安い」と指摘する理由だ。

 長期契約を結んだ選手は“不良債権”化するケースも少なくない。記事でも「ほとんどの選手は30台中盤から後半にかけて衰えていく」と指摘している。一方で「トラウトなら契約の後半に差し掛かる段階でも、依然として活躍できるはずである」とも予想。メジャー最強プレーヤーが金額に見合ったプレーを見せ続けてくれるのか、注目が集まる。(Full-Count編集部)

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