全国高校選抜大会 ソフトボール 大村工が大会最多7度目V

 全国高校選抜大会は20日、東京都内でソフトボールと柔道の2競技が行われ、長崎県勢はソフトボール男子の大村工が大会最多となる7度目の優勝を飾った。長崎県勢としては大村工が2012年からV4、2016年は佐世保西、2017年は大村工が優勝(昨年は悪天候で準決勝以降中止、大村工を含む4校が同時入賞)しており、今回の大村工の優勝で「8連覇」となった。

 ソフトボールは準決勝、決勝を実施。準決勝で飛龍(静岡)と対戦した大村工は、3-3のタイブレーク八回無死二塁から、赤坂が右中間に適時二塁打を放ち、4-3でサヨナラ勝ちした。御調(広島)との決勝は、0-0の五回2死一、二塁から、山田が左越えに先制の2点二塁打を放つと、さらに敵失などで1点を追加。守ってはエース迎が粘り強く完投して、3-1で競り勝った。

 ■つないだ栄光の記録 山田が殊勲打

 昨秋の長崎県予選決勝を劇的な逆転サヨナラで制した大村工が、長崎県ソフトボール界の強さを存分に見せつけた。紙一重で切符を逃した佐世保西とともに、2012年から続けている長崎県勢の春の全国無敗記録を今年も更新。主将の小笹の「うれしさとホッとした気持ち」という言葉が、多くの重圧を振り払った喜びを如実に表現していた。県勢の“春”はこれで、実に41連勝(大村工36勝、佐世保西5勝)となった。

 御調(広島)との決勝は互いにゼロ行進。我慢の守備が続いた。均衡が破れたのは五回。2死から粘って一、二塁とすると、ここで1番山田が左越えに先制2点二塁打。直後に好走塁で3点目のホームも踏んだ殊勲者は「前の打席まで全然ダメで迷いもあったが、吹っ切って振り抜いた。いけ!と思った」と胸を張った。

 あとは、普段通りに守った。六回に1点を失ったが、二塁を踏ませたのはその1回だけ。山口監督が「継投も考えていたが、大会が進むごとに良くなって、結局やりきった」と評したエース迎が、3回戦からの4試合を1人で投げ抜いた。

 春の栄光の記録はつないだ。次の狙いは県勢が過去3年間逃している夏のインターハイの頂点だ。当然、県内のライバルたちも、今回の優勝を称賛してくれるだけでは終わらない。切符を懸けた6月の県高総体が、全国一の激戦となるのは必然と言っていいだろう。

 表彰式後、小笹や山田ら多くの選手が同じ言葉を口にした。「また一からやるつもり」。勝ち抜けば、おのずと県勢の“定位置”が見えてくる県高総体が、今から楽しみになってきた。

試合終了の瞬間、抱き合って喜ぶエース迎(中央)ら大村工の選手たち=東京・あきる野市民球場
【ソフトボール男子決勝、御調-大村工】5回裏大村工2死一、二塁、山田が左越えに先制2点二塁打を放つ=東京・あきる野市民球場

© 株式会社長崎新聞社