マリナーズ・イチローが現役引退を発表 28年間のプロ生活に終止符

日本時間3月21日に東京ドームで行われたアスレチックスとの開幕シリーズ第2戦。この試合がイチロー(マリナーズ)にとってキャリア最後の試合となった。8回裏開始時、守備交代でベンチへ退く際にスコット・サービス監督の計らいによって大観衆からの大歓声を浴び、試合終了後には大観衆の「イチロー」コールが鳴り響いた。「今夜起こったこと以上のものはない」と感激した様子で話したイチローは、日本で9年、メジャーで19年、合計28年間のプロ生活にピリオドを打つことを決断した。

8回表の第4打席、勝ち越し機で凡退したあと、イチローは右翼の守備に就いた。指揮官はイチロー以外の野手をグラウンドから引き揚げ、ただ一人グラウンドに立つイチローが大観衆からの大歓声に包まれる感動的なシーンを演出。イチローが右翼のポジションから自軍のダグアウトへ戻る途中、イチローとハグを交わした菊池雄星やディー・ゴードンの目には涙が浮かんでいた。試合終了後には「イチロー」コールに応えるように再びグラウンドに登場。イチローの再登場を信じて東京ドームにとどまっていた大観衆の大歓声に応えた。

日米通算4367安打を記録したイチロー。メジャー19年で積み重ねたヒットは3089本で、これは現役選手最多の数字である。2025年にはアメリカ野球殿堂入りの投票対象となるが、初年度での殿堂入りが確実視されている。

イチローによると、マリナーズとの契約は日本での開幕シリーズ2試合までだったという。「最低でも50歳まで現役」と語ってきたイチローだが、スプリング・トレーニングでは31打数2安打(打率.064)の大不振。来日直前、スプリング・トレーニング終盤には開幕シリーズ終了後の現役引退を決断していたようだ。マリナーズのユニフォームで、日本での現役ラストゲーム。イチローにとって、最高の形でのフィナーレとなった。

メジャー1年目の2001年にMVPと新人王をダブル受賞し、同年から10年連続でオールスター選出&ゴールドグラブ受賞。2004年にはメジャー新記録となるシーズン262安打を記録した。27歳までメジャーでプレイしなかったにもかかわらず、通算安打数はメジャー歴代23位。残してきた数字は圧倒的だ。

多くのメジャーリーガーを含む、世界中の人々に大きな影響を与えたイチロー。その現役引退により、球界の一つの時代が幕を閉じた。

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