田中将大「小学生のとき、イチローさんはスーパースターだった」

田中将大(ヤンキース)はイチローのラストシーンの全てを目に焼き付けておきたかった。ジョージ・M・スタインブレナー・フィールドのクラブハウスでテレビに釘付けになり、日本が世界に誇る安打製造機の現役ラストゲームを見届けた田中。「あの球場の雰囲気は特別な選手に対してのみ発生するものだと思う。あれはリスペクトの表れだから。イチローさんはそういう選手だった」とイチローのラストシーンについて語った。

イチローが1992年にオリックスで一軍デビューしたとき、田中はまだ4歳だった。「僕が小学生のとき、イチローさんはスーパースターだった」と田中。「どんなに非現実的な夢を想像しても、イチローさんと一緒にプレイするなんて考えられなかった。でも、2009年のワールド・ベースボール・クラシックで一緒にプレイする機会を得て、2014年にはヤンキースでチームメイトになることができた」と、イチローとの思い出を振り返った。

2014年は田中のルーキーシーズンで、40歳のイチローは143試合に出場して打率.284をマークした。田中は、イチローとの一番の思い出は2009年のワールド・ベースボール・クラシック決勝(対韓国)でイチローが決勝タイムリーを放ったシーンだと語る。「あのとき、イチローさんは世界中のプレッシャーを一身に受け止めていたと思う。あの大会のイチローさんはあまり調子が良くなかったけど、それを乗り越えて僕たちを優勝に導いてくれた」とイチローの強靭な精神力についてコメントした。

また、田中はイチローとの対戦経験もある。2015年にイチローはマーリンズへ移籍し、その年の6月にヤンキース戦で田中と直接対決。結果は4打数2安打で、イチローが2本のヒットを放った一方、田中はイチローから三振を奪い、内野ゴロに打ち取った。「(ヤンキースで)チームメイトになるなんて思っていなかったけど、対戦することを考えたこともなかった。イチローさんと対戦できた経験は僕の宝物です」と語り、憧れのスーパースターの現役引退を惜しんだ。

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