千葉商科大学、大学で日本初の「RE100大学」達成

記者会見後の記念撮影(中央が同大学・原科学長)

千葉商科大学(市川市・原科幸彦学長)は2月27日、日本の大学で初となる「RE100大学」を今年1月に達成したと発表した。省エネ対策を実施した学内の電力使用量が、同大学の野田市にあるメガソーラー発電所の年間発電量(約365万kWh)と同量となった。原科学長は記者会見で「自分たちの大学だけでなく、他の大学にも続いてほしい。大学から日本の自然エネルギー普及に向けて取り組んでいきたい」と力強く語った。(オルタナ編集部=中島洋樹)

原科学長は「日本は世界的に見ても、自然エネルギーの宝庫であり、他の国も羨む環境があるのに、現在活用できていない」と自然エネルギー導入が停滞する昨今への危機感を述べた。さらに、「自分たちで自然エネルギーを活用して発電し、達成することに意義がある」と持論を展開した。

同大学ではこれまでも、2003年に全国初となる学生主導でのISO14001取得、2018年に大学としてESG投資を開始するなど環境に関する取り組みを行ってきた。

2013年には野田市にメガソーラー発電所を設置し、発電を開始した。2017年にパネルを増設し、年間発電量が約44万kWh増加(従来比14%増)となった。さらに、本学市川キャンパスの屋上にソーラーパネルを設置し、今年3月までに発電を開始する予定だ。年間約47万kWhの発電を見込んでいる。

メガソーラー発電所(野田市)

並行して実施する省エネ事業は、2015年に照明のLED化を開始。また、2018年学生主導による学内の飲料自動販売機の削減・省エネ型への変更など省エネ対策を実施し、年間消費電力を約2万kWh削減することに成功した。 

現在、複数の大学と自然エネルギーについての情報共有、意見交換を行っており、ゆくゆくは自然エネルギーに取り組む各大学と連携して、世界に向けて取り組みを発信する構想もあるという。 

さらに、2020年までにキャンパスで消費する総エネルギーと発電量を同量にする目標を掲げている。消費エネルギー量は、電気とガスの合計で計算するが、単位が異なるため、ジュール換算して整合性を取るとしている。目標実現に向け、学生、教職員が一丸となって、自然エネルギーに対する取り組みを行っていく方針だ。

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