彼杵中、千綿中 閉校式 誇り胸に 72年に幕

 4月に統合する長崎県東彼東彼杵町蔵本郷の町立彼杵中(川内康範校長、120人)と同町平似田郷の千綿中(楠本満校長、78人)の閉校式が22日、それぞれの体育館であり、生徒や卒業生、教職員らが慣れ親しんだ母校に別れを告げた。72年の歴史に幕を下ろし、新年度から町立東彼杵中としてスタートする。

 いずれも1947年4月に創立。本年度までに彼杵中7765人、千綿中5610人の卒業生を送り出した。人口減少などに伴い、町が数年前から統合を模索。地元説明会などをへて昨年9月の町議会で決定した。新年度からは彼杵の校舎を使い、校章や校歌、制服は一新する。

 各校の閉校式には、生徒や教職員に加え、保護者、地域住民らが出席。代表生徒が渡邉悟町長に校旗を返納した。渡邉町長は「新しい仲間と仲良く、学校生活を楽しんで」と激励した。

 彼杵中では川内校長が「最後の生徒という誇りを胸に、新しい学校で活躍することを祈る」と式辞。2年の釣本華さん(14)は「一日一日が大切な思い出。閉校は寂しいが、これまでの伝統を引き継ぎ、新たな伝統を築きたい」と力強く決意表明した。

 千綿中では、楠本校長が「閉校は新たな飛躍の第一歩」とあいさつ。2年の竹下恋花さん(14)は「二つ目の母校へ旅立つ。千綿中には心を込めて『ありがとう』を贈りたい」と別れの言葉を述べた。

渡邉町長(右)に校旗を返納する代表生徒=彼杵中

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