神戸“北の玄関口”再生へ 新神戸の商業施設が新装 赤字脱却へ三宮からの動線が鍵

©株式会社神戸新聞社

空きテナントが目立つ新神戸オリエンタルアベニュー。7月1日の新装オープンでにぎわいは戻るのか=神戸市中央区北野町1(撮影・鈴木雅之)

 JR新神戸駅前の商業施設「新神戸オリエンタルアベニュー」が7月、新装オープンする。テナント構成を従来の物販・飲食店中心から、体験型の施設や店舗へ大幅に入れ替え。新幹線駅直結の地の利を生かし、兵庫県外からの観光客や訪日客の取り込みを図る。神戸の“北の玄関口”のにぎわい再生に向け、新神戸と三宮とのアクセス強化などが鍵を握る。

 「若い女性が夜間でも楽しく買い物ができる街」。1988年9月にダイエーが発表した複合施設「新神戸オリエンタルシティ」開業の発表資料には「新神戸オリエンタルパークアベニュー」(現新神戸オリエンタルアベニュー)についてこう記されている。

 年中無休。延べ床面積約4万平方メートルのフロアにはアパレルや雑貨店、レストランなどが立ち並んだ。しかし、国内景気が低迷期に入ると、個人消費の落ち込みと比例するように売り上げが減少。ここ数年は赤字が続く。

 今回のリニューアルでは三宮や神戸ハーバーランドなどの商業エリアとのすみ分けを図るため、物販に限らない「コト消費」を意識。来館者が体験を楽しむことができる施設づくりを進める。

 ターミナル駅を擁する三宮とのアクセス強化も課題だ。新神戸駅に直結するとはいえ、北側は六甲山系が広がり商圏が限られ、三宮や神戸空港など沿岸部からの交通アクセスの改善が施設の集客を左右する。

 一方で、神戸市と阪急電鉄が北神急行電鉄の市営化に向けて交渉しており、運賃の値下げが実現されれば、六甲山北側からの集客が見込める。

 市営地下鉄西神・山手線と阪急神戸線の相互直通に向けた協議も進む。接続駅が新神戸駅になる可能性もあり、施設を管理する「JLLモールマネジメント」(東京)の担当者は「そうなれば大阪や阪神間からの客の流れもできるのではないか」と期待する。

 さらに同市は2018年度、同駅前の再整備に向けてJR西日本と協議を始めており、周辺一帯の魅力アップへの動きも加速する。

 約30年前から同施設で営業を続ける宝石店「ジュエルコスミディア」の川崎達彦代表(65)は「(商業施設としては)これが最後の挑戦。全体ににぎわいが出てくれば新しい顧客もできる。北の玄関口の再生に向け、行政の動きにも期待したい」と話す。(三島大一郎)