５大クラシック（モニュメント）の１つである第110回ミラノ～サンレモが、３月23日にイタリア北部で開催され、フランスのジュリアン・アラフィリップ（ドゥクーニンク・クイックステップ）が、小集団でのゴールスプリントを制して初優勝した。
２位はベルギーのオリベル・ナーセン（ＡＧ２Ｒ・ラモンディアル）、３位はポーランドチャンピオンのミハウ・クフィアトコフスキー（チームスカイ）だった。
イタリアに春を告げるレースとして、『ラ・プリマベーラ（春の意味）』の愛称で親しまれるミラノ～サンレモ。第110回大会は快晴に恵まれた。スタートして６kmで10人が逃げ出し、そこには所属選手全員が１型糖尿病患者であるチーム ノボ ノルディスクの選手が４人入っていた。
10人は最大で10分差を付けて逃げ続けたが、レース後半のチプレッサ峠で全員が吸収された。ゴールまで残り21kmの頂上を越えた後、集団からイタリアのニッコロ・ボニファツィオ（ディレクトエネルジー）がアタックし、一時20秒以上のタイム差を付けたが、集団はポッジョに到着する前に彼を吸収した。
ゴールまで残り9kmでポッジョの上りが始まると、集団の先頭はズデネク・シュティバルを先頭にドゥクーニンク・クイックステップが引き続けた。そこから残り7kmでイタリアのアルベルト・ベッティオル（ＥＦエデュケーションファースト）がアタックしたが、すぐアラフィリップに捕まった。しかし、この動きで先頭は7人になった。
ポッジョの頂上は、クフィアトコフスキーが先頭で通過。そこにはアラフィリップ、ナーセン、スロバキアチャンピオンのペテル・サガン（ボーラ・ハンスグローエ）、世界チャンピオンのアレハンドロ・バルベルデ（モビスターチーム）、ヨーロッパチャンピオンのマッテーオ・トレンティン（ミッチェルトン・スコット）、ベルギーのグレッグ・バンアーベルマート（ＣＣＣチーム）という精鋭が顔を揃えていた。
しかし、ポッジョを下り終えた所で追走選手が次々と合流。残り２kmでトレンティンが単独で仕掛け、ベルギーのウォウト・バナールト（チームユンボ・ビスマ）が追走したが、抜け出すことはできなかった。
最後は10選手でのゴールスプリントになり、サガンが先頭で右手のバルベルデを警戒しているすきに、残り600メートルで飛び出したスロベニアチャンピオンのマテイ・モホリッチ（バーレーン・メリダ）に付いていったアラフィリップがそのまま先頭に立ち、初めてモニュメントと呼ばれるビッグクラシックレースを制した。
フランス人選手がミラノ～サンレモで優勝したのは2016年のアルノー・デマール（グルパマ・ＦＤＪ）以来だった。アラフィリップは初出場した2017年に3位に入って表彰台に上がっていた。
■ミラノ～サンレモで初優勝した26歳のアラフィリップのコメント
「ボクはこのレースで勝つことを目標にしてきた。自分の勝利を、今日のチームの働きと同じ位、誇りに思っている。彼らがボクのためにしてくれたことは、全く格別だった。最後にボクは、彼らの献身を心に留めて勝利のために走った。
ポッジョでスピードアップした後、ボクは下りで回復した。それでもボクは、一緒に逃げ出した選手たちの質を考えて、勝つのは難しいだろうと思っていた。トレンティンが非常に速いのを知っていたから、ボクは彼との差を縮めるために少し頑張った。
それから落ち着いて、サガンの隣にとどまった。モホリッチがスプリントを始めた時、彼の後ろにつかなければならないとわかっていた。彼が20メートル離れればゲームオーバーだった。ボクは可能な限り最高のやり方でそれを阻止したんだ」
第110回ミラノ～サンレモ結果
［3月23日／UCIワールドツアー／イタリア／291km］
1. ALAPHILIPPE Julian (DECEUNINCK - QUICK - STEP / FRA) 6:40:14
2. NAESEN Oliver (AG2R LA MONDIALE / BEL)
3. KWIATKOWSKI Michal (TEAM SKY / POL)
4. SAGAN Peter (BORA - HANSGROHE / SVK)
5. MOHORIC Matej (BAHRAIN - MERIDA / SLO)
6. VAN AERT Wout (TEAM JUMBO - VISMA / BEL)
7. VALVERDE Alejandro (MOVISTAR TEAM / ESP)
8. NIBALI Vincenzo (BAHRAIN - MERIDA / ITA)
9. CLARKE Simon (EF EDUCATION FIRST / AUS)
10. TRENTIN Matteo (MITCHELTON - SCOTT / ITA)
（ レース公式サイト ）
