できた!山田錦以前の主流酒米「弁慶」で日本酒 兵庫・姫路の酒蔵が400本限定発売

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100年前のエース米「弁慶」で造った「呼應100年」を掲げる壺坂良昭さん(左)と飯塚祐樹さん=大阪市内

 兵庫県姫路市夢前町の住民らが約100年前の主流酒米「弁慶」を使って往時の日本酒を復活させ、大阪市内でこのほど開いた発表会で披露した。「100年前と呼び合うイメージ」から名付けた銘柄は「呼應100年」。地域の新たなブランド品として魅力発信に生かす計画で、地元の老舗・壺坂酒造が限定400本を発売した。(宮本万里子)

 酒米と言えば山田錦が有名だが、その登場以前に「エース米」として人気を誇ったのが弁慶だった。兵庫県が1924年に奨励品種に指定し、戦前は県内で最も多く作られた。36年に山田錦が奨励品種となったのを機に需要が減った。

 酒造りに挑んだのは、夢前町の活性化を掲げ、地元市民らでつくる「夢前ゆめ街道づくり実行委員会」。近くの書写山円教寺で武蔵坊弁慶が大暴れした-との話が残るなど地元に縁があることから着目。昨年6月から町内で弁慶を栽培し、同10月に収穫した。

 酒造り用の酵母菌は、かつて弁慶を使っていた壺坂酒造の酒蔵で採取。吉備国際大農学部醸造学科(同県南あわじ市)が協力した。台風の影響などで想定よりも米の収穫量は少なかったが、400本を製品化した。

 「呼應100年」は米のうま味が生きた甘辛。大阪での発表会では参加者がそばや卵料理とともに堪能した。壺坂良昭専務(43)は「もっと野性的な酒になるかと思ったが、香りが良く、多彩な料理を引き立てる味に仕上がった」と太鼓判を押した。

 同町で農業を手掛ける「FARM HOUSE」代表で、弁慶を育てた飯塚祐樹さん(39)は「わずか700グラムの種もみからスタートし、悩みながら造ったお酒。来年からはより多く販売し、夢前をPRしたい」と力を込めた。

 1本500ミリリットル入り2160円。予約不可。壺坂酒造(姫路市夢前町前之庄)でのみ買える。同社TEL079.336.0010