明豊爆発13得点 大会屈指の横浜エース攻略【大分県】

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8回表明豊2死満塁、走者一掃の二塁打を放ち塁上でガッツポーズをする藪田
力投する明豊の2番手大畑
【明豊―横浜】3回表明豊無死一、二塁、表が左前適時打を放つ=甲子園球場

 【甲子園臨時支局】第91回選抜高校野球大会第2日は24日、甲子園球場で1回戦3試合があった。第2試合に県勢の明豊が登場。前評判の高かった横浜に13―5で大勝し、同校として、県勢として10年ぶりの初戦突破を決めた。

 このほか、第1試合は初回に大量7点を奪った習志野(千葉)が粘る日章学園(宮崎)を8―2で下した。第3試合は昨秋の明治神宮大会覇者で春夏通じて初出場の札幌大谷(北海道)が4―1で米子東(鳥取)を振り切った。この結果、明豊は大会第7日の29日、2回戦第1試合(9時開始予定)で札幌大谷との対戦が決まった。

 また県勢の大分ナインは第5日(27日)の初戦に向けて、兵庫県西宮市の西宮北高で調整を続けた。投手陣はエース長尾凌我(2年)を筆頭に順調な仕上がりを見せ、打者では飯塚和茂(同)らが鋭い打球を飛ばしていた

 第3日は25日、同球場で1回戦3試合がある。

 ▽1回戦 明豊―横浜(11時27分、41,000人)

明豊

005410030|13

310000100|5

横浜(神奈川)

▽本塁打 吉原1号(1)(大畑)

 【評】強打の明豊打線が横浜の大会注目左腕を序盤で攻略し、2桁安打13得点で大勝発進した。

 4点を追う明豊は三回、連続四球で無死一、二塁とし、表の左前適時打でまず1点。さらに布施、野辺の連打などで追いつくと、なおも2死三塁から青地の適時打で勝ち越しに成功した。中盤以降も攻撃の手は緩めず、四回と八回には藪田が満塁の走者を一掃するなどして突き放した。 

 投げては四回から継投した大畑が相手反撃を1失点に抑えて逃げ切った。

冬場からの成果出た

 明豊・川崎絢平監督の話 試合の入りは良くなかったが、打線がつなぐ意識を持ってよく振ってくれた。(三回に)まさかひっくり返すとは思っていなかったが、相手エース対策を含め、冬場からの成果をよく出してくれた。

 自慢の強力打線が力を発揮した。明豊は横浜の3投手に対して9回で12安打13得点と爆発。強豪に打ち勝ち、10年ぶりのセンバツ白星を飾った。一挙5得点で逆転に成功した三回、口火を切る適時打を放った表悠斗主将(2年)は「しっかり対策してきた成果。チームの持ち味を出せた」と堂々と胸を張った。

 二回までに4点を失う苦しい立ち上がりだった。しかも相手先発は大会屈指の左腕。一方的な展開になりそうだったが、チームに悲壮感はなかった。大阪入り後、体感で150キロ程度に設定したマシンで目を慣らし、全打者が「狙い球を直球に絞って外のスライダーに手を出さないように対策してきた」(川崎絢平監督)ことを実践した。

 三回、狙い通りの展開に持ち込んだ。先頭の若杉晟汰(1年)、続く野上真叶(同)が四球で出塁して無死一、二塁。制球に苦しむ相手先発をたたみかける好機に、表主将が反撃ののろしを上げた。

 「詰まったが気持ちで持っていった」(表主将)と、狙い球の直球を振り切って三遊間を破り、まず1点。犠打で1死二、三塁とした後、「マシンより遅く感じ、いけると思った」という布施心海(1年)が左翼線に2点適時打を放って1点差に。さらに野辺優汰(2年)の左翼線への二塁打と敵失で追いつき、2死三塁で青地七斗(同)の三塁強襲の適時打で勝ち越しに成功した。

 一気に試合をひっくり返すとともに、最も警戒していた相手エースをマウンドから降ろすことに成功。流れをがっちりとたぐり寄せると、四回にも藪田源(同)の3点適時打などで4点、五回に1点、終盤八回にも3点を加えて、一気に突き放した。

 4打数3安打2打点で打線爆発のキーマンとしての役割を果たした表主将は「持ち味の切れ目のない打線を示せた。緊張もあったが、これ以上ない自信になった」と笑った。

藪田 満塁で勝負強さ

 重圧をはねのけ、絶好の機会をものにした。明豊の藪田源(2年)が、四回と八回に回ってきた満塁の好機に、いずれも走者一掃の適時打を放って6打点。初戦突破に大きく貢献した。殊勲の藪田は「自分で試合を決めてやろうと思っていた」と値千金の当たりを振り返った。

 三回までの2打席は凡退。それでも「(スイングの)感じは悪くなく、むしろやれる自信があった」。その言葉通り、直後の第3打席で見せた。

 1点リードで迎えた四回だった。2死走者なしから表悠斗主将(同)の中前打を起点に満塁とし、敵失で1点を加えた直後に打席へ。

 「直球に絞り、しっかり引きつけて振り切った」というライナーは右方向へ。捕球しようと飛び込んだ右翼手のグラブ手前ではねて後方に転がり、大きな3点をもたらした。

 この一打で手応えをつかむと、1点を失った直後の八回、再び2死満塁で打順が回ってきた。内角低めの直球をたたくと、打球は最深部の左中間フェンスを直撃。右拳を高々と突き上げて大声援に応えた。

 勝負強さを発揮した5番打者は「次も憧れの舞台を存分に楽しみたい」と2回戦に向けて気持ちを高めていた。

大畑 のびのび好救援

 明豊は四回から継投した大畑蓮(2年)が6回を110球で1失点と好投した。想定よりも早い段階での救援となったが、キレのいい低めの直球と多彩な変化球で相手打線の要所を抑えた。「終盤は大量リードで気持ちも楽になった。憧れの舞台で思い通りに投げられ、チームに貢献できたのは大きな収穫。次も自分の役目に集中したい」と次戦を見据えた。

 一方先発したエース若杉晟汰(1年)は「相手のいいバッターをどうにか押さえようと力が入った」と立ち上がりを反省。その上で「浮き球を見逃してはくれなかった。勉強になった」としっかりと前を向いた。

横浜の及川「実力不足」

 大会屈指の左腕投手として、前評判が高かった横浜の及川は、本来の投球を見せることができなかった。「実力がなかった」と唇をかみしめた。

 最速153キロの球速を誇るが、この日は140キロ台中盤が最高。三回にいきなり崩れた。制球が定まらず、四球をきっかけに5失点し、右翼の守備に回った。八回途中から再びマウンドに戻っても、制球は安定しなかった。

 昨秋からの課題を克服できずに、大敗を招いた。「自分が軸になって引っ張る投球ができるようになりたい」と成長を誓った。