大型契約のエンゼルス・トラウト 「移籍を考えたことは一度もない」

エンゼルスと12年4億2650万ドルの超大型契約を結んだマイク・トラウトが、ジェシカ夫人、アート・モレノ・オーナー、ビリー・エプラーGM、ジョン・カルピノ球団社長、代理人のクレイグ・ランディス、ブラッド・オースマス監督とともに記者会見に臨み、「ここは僕のホームだ。僕は移籍を考えたことは一度もない。人生を通してエンゼルスの一員でありたいと思っていた」とエンゼルスへの愛着を口にした。

エンゼルスとトラウトの契約は2020年まで残っていたが、エンゼルスはスーパースターの引き留めに向けて、2月後半からトラウト側との契約延長交渉を開始した。トラウトがエンゼルスに愛着を感じ、残留に前向きだったこともあり、契約延長交渉は長期にわたったとはいえ、スムーズに進んだという。オプトアウト(契約破棄)の条項が含まれず、全球団に対するトレード拒否条項が盛り込まれたのも、トラウトのエンゼルスに対する愛着の表れというわけだ。

2011年にデビューしてからすでにMVPを2度受賞し、オールスター・ゲームに7度も選出されているトラウトを擁しながら、エンゼルスは同期間に1度しかポストシーズンに進出していない。しかし、エプラーはトラウトを中心としてチームを立て直し、ポストシーズン進出を狙えるチーム作りを進めている。その姿勢はトラウトにもしっかり伝わっており、「僕は勝ちたいんだ」と勝利を欲するトラウトは引き続きエンゼルスの一員としてワールドシリーズ制覇を目指すことを決断した。

エンゼルスは2020年以降まで契約を残している選手がアルバート・プーホルス(残り3年8700万ドル)とジャスティン・アップトン(残り4年9000万ドル)の2人しかおらず、資金面ではかなりの余裕を抱えている。一時は球界ワーストレベルだったマイナー組織も順調に立て直しが進んでおり、今後の常勝軍団形成に向けて着実に準備が整っているのだ。

キャリアをエンゼルスの一員として終えることがほぼ確実となったトラウト。球界のベストプレイヤーを長きにわたってチームの中心に据えることのできる幸運に恵まれたエンゼルスは、今後どのようなチーム作りを進めていくのか。勝利を欲するトラウトの決断の正否は、今後のエンゼルスのチーム作りにかかっている。

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