障害持つアーティストの作品を展示・販売 横浜

会場で作品を並べて準備に当たる福家健彦さん=横浜市南区

 障害の有無を問わず、個性豊かな創作活動と社会への発信に取り組むアトリエ「あーとすたじお源」(横浜市南区)に所属する、障害のあるアーティストの作品を初めて展示、販売する「ふたりの作家の物語」展が、同区のギャラリー而今艸(じこんそう)で26日から始まる。4月2日まで。入場無料。

 民家を利用した趣のある会場で、本間はるかさん(25)と佐々木つくみさん(31)の作品約70点を紹介。身体障害などがあり、自己表現の手段として創作にいそしんでいる。本間さんはペインティングナイフやエアスプレーを工夫して使い、色彩豊かで迫力ある抽象画を制作。佐々木さんは動物がモチーフのカラフルな作品や細密なモノクロのペン画などを手掛ける。

 同アトリエを主宰する福家(ふくや)健彦さん(51)は、障害児教育に美術教師として関わり、物作りが心身の治癒に役立つことを経験。「障害者も健常者も、物作りに夢中になれる場を」と、5年前に同アトリエを設立した。

 毎週土曜に神奈川区の社会福祉協議会「はーと友神奈川」で活動しており、現在は大人5人、子ども3人が参加。福家さんは指導はせず、それぞれが自由な創作ができるよう、道具を探すなどの手助けを行っているという。

 福家さんは「『障害者が頑張って描いて、見てもらえてよかったね』といった感想ではなく、作品として評価されることを目指している。まずは多くの方に知ってほしい」と話した。

 同ギャラリーは横浜市営地下鉄弘明寺駅から徒歩5分。午前11時から午後6時(最終日は同5時)まで。高い段差があり車いすは利用できない。3月28、29日は、専門家が鑑賞者の多様な感想を引き出す対話型のグループ鑑賞会を予約制で行う。鑑賞会の申し込みと問い合わせは福家さん電話090(1459)9133。

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