堂々戦い、夢くれた 応援の渦 歓喜、熱気

石岡一 惜敗

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三塁側アルプススタンドで、笑顔で応援する石岡一高応援団=甲子園

選抜高校野球に21世紀枠で初出場した石岡一高は25日、初戦で盛岡大付(岩手)と対戦。「甲子園1勝」まであと一歩と迫ったものの、延長で逆転を許し力尽きた。夢の甲子園で躍動するナインに、三塁側アルプススタンドの大応援団は、最後まで懸命に声をからした。試合が終わると、堂々とプレーしたナインに、「あと一歩だった」「感動をありがとう」とねぎらいの言葉と拍手が送られた。

地元からバス42台に乗り合わせるなどして2千人を超える大応援団がスタンドを埋め尽くした。そろいの青色の帽子とジャンパー姿で、試合前から応援のボルテージは上がった。急造の同校応援団を仕切る男子バスケットボール部の千葉歩さん(17)は「全力で応援する」と声を張り上げた。エース岩本大地投手(3年)の祖父、和夫さん(77)は「とにかくいい試合を」と願った。父、紳さん(48)は「立ち上がりを無難に抑えてくれれば」と祈るようにマウンドに立つ息子を見詰めた。

その言葉通り、試合は岩本投手が序盤から躍動。相手打線を翻弄(ほんろう)し、初回を三者三振に切って取ると、三回まで走者を1人も出さない快投を見せた。エースの奮闘に打線も応えた。三回に相手失策の間に先制。九回に適時打で待望の2点目を奪うと、割れんばかりの拍手と歓声が湧いた。

2点リードで迎えた九回。その裏、二死まで追い詰めると、スタンドには初勝利を信じ、岩本投手に向けて両手を握り合わせ、祈るような姿が見られた。しかし同点とされ、あちこちでため息が漏れた。結局、延長十一回で力尽き、肩を落とした。

岩本投手を中学時代に指導した市立八郷中の永井厚教諭(51)は、バックネット裏から教え子のプレーを見守った。甲子園での初勝利は逃したが、「負ける気がしなかった。堂々とした投球だった」とその成長をねぎらった。

試合後は、スタンドに一礼するナインに激励が飛んだ。初出場ながら、堂々の戦いぶりに「頑張った」「夏こそ1勝をもぎ取れ」とこだました。 (高畠和弘)