外国客船救助で連携 海保など事故対抗訓練

訓練で、超大型客船から救命艇(右奥)で避難した乗客役=横浜港大さん橋ふ頭

 超大型の外国クルーズ客船の寄港が増える中、第3管区海上保安本部(横浜)などは25日、横浜港大黒ふ頭(横浜市鶴見区)に停泊している乗客乗員約6千人規模の「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」(16万8666トン)を使った大掛かりな事故対応訓練を行った。

 訓練は、東京湾を北上中の外国客船で海難が発生し、乗客が負傷する非常事態となったため船長が全員の下船を決定したと想定。海上保安庁の特殊救難隊や県警、市消防局、日赤県支部が参加した。

 ヘリコプターによるつり上げ救助を実施。乗客役の日本体育大や東海大などの学生約100人が救命艇などで大さん橋ふ頭(中区)に運ばれ、市立みなと赤十字病院の医師らから、治療の優先順位を決めるトリアージを受けた。

 ノルウェー沖で23日、豪華客船「バイキングスカイ」が航行不能となり、乗客乗員約1370人が救助されたばかり。3管の宮崎一巳本部長は「こうした訓練を通して、関係機関が持てる力を100%発揮できる戦略を高めていきたい」と述べた。

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