聖火リレースタートまで1年 トーチつないだ誇り今も

茂木の久保庭さん・小山の小沼さん

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「走りながらトーチの重さを感じていた」と当時の思い出を語る久保庭さん=25日、茂木町小井戸

 2020年東京五輪の聖火リレースタートまで26日であと1年となった。前回1964年の東京五輪では、開幕ムードで盛り上がる9月30日~10月2日の3日間、県内をトーチリレー。那須町から小山市までの約110キロを各学校や市町村から選ばれた57人のランナーが、大会に参加できる喜びを感じながら「五輪のシンボル」をつないだ。

 「走った10月1日は18歳の誕生日。本当にいい思い出になった」。久保庭隆夫(くぼにわたかお)さん(72)=茂木町小井戸=は一緒に走ったトーチを手に懐かしむ。

 茂木高校陸上部で走り幅跳びや三段跳びの選手だった。「聖火を迎える県民のつどい」では走者代表に選ばれ、横川信夫(よこかわのぶお)知事に「県代表としての栄誉を担い、立派に聖火をリレーする」と高らかに誓った。

当時着たウェアを手に「思ったよりしっかりしたつくりで着心地が良かった」と語る小沼さん=23日午後、小山市中久喜

 担当区間は氏家町(現さくら市)の国鉄蒲須坂駅からの1・8キロ。沿道は多くの人々で「設定タイムの7分間から遅れないように気をつけた」。白バイを追うように走り切ると達成感で疲れも吹き飛んだという。

 本県の最終ランナーを務めたのが、当時19歳で社会人1年目の小沼久男(こぬまひさお)さん(74)=小山市中久喜=だ。責任を強く感じ「いろいろな意味で『トーチの重さ』を感じた」と振り返る。

 小山高時代から中長距離の選手で、受け持った小山市の江川橋県境までの1・3キロは練習で慣れ親しんだコース。「疲れて手が下がってくると『もっと上げて走れ』なんて声が飛んできてね」。茨城県の走者の到着が遅れ、もみくちゃになりながら待たされるハプニングもあったが「注目されて気持ちがよかった」。

 知人から譲り受けた当時のカラー写真は、今でも大切な宝物だ。「オリンピックに関われたのは本当に名誉なこと」と感謝する。

 20年の聖火リレーは来年3月26日に福島県をスタートし、本県は29、30日の2日間で実施される。大役を担うランナーに向け、小沼さんは「一生に一度できるかできないかの経験。県民の代表という誇りと自信を持って走ってほしい」とエールを送った。