波の音に混じり、遠くから踏切の音が聞こえる。夕日を背にした黄色い列車が姿を見せると、母親に連れられて古部駅を訪れた長崎県島原市有明町の森崎元輝ちゃん(1)の声が弾む。「カンカン、カンカン」。乗り物が好きで、間近に列車を見られる同駅はお気に入りの場所だという。
島原鉄道は1911年、本諫早駅(諫早市)と愛野駅(雲仙市愛野町)間に開通。翌年、島原方面に延伸して同市瑞穂町に古部駅が誕生した。同社によると、同駅は全24駅中、線路が海岸線に最も近い。駅舎が海に近い大三東駅(島原市)と並び、人気の撮影スポットでもある。
あかね色に染まる空と有明海、黄色い列車が織りなす情景を収めようと、夕暮れ時には三脚を立てた写真愛好家の姿も。そのうちの一人、雲仙市瑞穂町の竹田満輝さん(40)は「ちょこんと立つ駅舎もいい味を出している」。そう話しながら素早くシャッターを切った。
【動画】島原半島・古部駅 空と海と黄色い列車
- Published
- 2019/03/29 11:30 (JST)
- Updated
- 2020/10/17 13:40 (JST)
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